家計診断Q&A

家計診断Q&A


家の購入は低金利の今が良いでしょうか
それとも頭金を貯めてからがいいでしょうか?


市田 雅良先生
(いちだ まさよし)
プロフィール
今なら低金利の恩恵を受けた借り入れで3500万円程度の物件が購入可能

退職金を全額繰り上げ返済に充てるのは避けて、60歳までに完済を

年金受給額の差以上に、教育資金や家計のキャッシュフローにプラス

実家の不動産活用はプロに相談を

大槻 由美子さん(仮名)のご相談
現在、父が所有する家に夫婦で暮らしており、家賃の負担はありません。ただ、今後家族が増えた場合を考えると、もう少し大きな家に引越ししたいと思っております。希望は土地・家込みで4000万円ほどで、現在は1033万ほど貯金があります。夫の会社は55歳定年ですが、60歳までは働くことができるようです。できるなら55歳の定年までには住宅ローンなどは完済しておきたいと思っています。そうなると、今の低金利時代に早期購入しておくのがよいのか、それとも今はまだ貯金に励み頭金をできるだけ増やしてから購入したほうがよいのか思案しております。(フラット35の固定金利はとても魅力に感じています)
ただ、現在は夫婦二人ですが、今後どのような家族構成(子供2人を希望)になるのか決定した時点でもよいかなとも思っています。

また、将来の年金について、妻が働いた場合と働かなかった場合とではどの様な差が出るのでしょうか。
父の所有する物件ですが、空き家になった場合、学生のアパートにでもして家賃収入を取ることも考えておりますが、今のような借り手市場の時代、そのようなことを当てにして返済金額をいくらにするか考えないほうがいいですよね?
長々としたご質問になってしまいましたが、ご回答よろしくお願いいたします。

大槻さん(仮名)のプロフィール
32歳、専業主婦。24歳から32歳までは会社員として働く。40歳頃にお仕事への復帰をご希望。
34歳のご主人は会社員で、55歳に定年となるが、その後60歳まで嘱託となる予定。
お子様は2人をご希望。現在のお住まいは持ち家(ローン無し)、世帯年収約570万円


今なら低金利の恩恵を受けた借り入れで
3500万円程度の物件が購入可能

大槻さんのご質問をまとめると以下のようになります。

Q1. 4000万円の住宅を取得したい 。いくら借りられる?いくら返済できる?
Q2. 55歳までにローン返済は可能か?
Q3. 妻が働きに出た場合のライフプランにおける効果と年金額の増減は?

今の収入で可能な借り入れ額から計算すると

住宅の購入額とローンは以下の関係となっています


今の年収から融資年収×25%=年間ローン返済可能額となります。
大槻さんの場合は、

570万円×25%=142.5万円

月額返済の目安は 142.5万円÷12月≒11.8万
年間ローン返済可能額を融資期間30年間で返すので、総ローン返済額は 4275万円。この4275万円は(元金+利息)の合計なので、元金部分を抜き出します。

返済期間30年、利息3%の条件では

4275万円÷利率係数1.52=2812.5万円


返済可能額から見たローン借入額の目安は2812.5万円となります。
返済可能額から逆算した物件価格は、

2812.5万円÷0.8=3515.6万円

この条件の範囲内でローンを検討します。


自己資金は、703万円+351.5万円=1054.6万円を目安にします。

購入時期は、40歳頃としなくても、ここ2〜3年間の取得は可能です。低金利の恩恵がある時期でもあります公庫・銀行の提携ローンである「フラット35」などを検討されてはいかがでしょうか。
ローンの返済可能額を中心にした計算から、購入価額は3500万円程となります。したがってご希望の4000万円にとどかない結果となりましたが、購入時までの時間で、給与の上昇が見込まれたり自己資金を増やす事など対処出来れば購入物件のグレードアップの検討は可能となります。

ただし、住宅取得後の住宅関連支出はローン返済額以外に、固定資産税、さらにマンションであれば共益費や修繕積立金なども考慮に入れなければならないことを忘れてはなりません

チェック! <ローン返済明細表:フラット35を利用した 2812万円の場合>

退職金を全額繰り上げ返済に充てるのは避けて、
60歳までに完済を


ご主人の雇用形態を55歳で一度退職し、その後「嘱託契約」で60歳までと想定させていただくとすれば、55歳時には退職金1500万円との予想があります。しかし全額を繰上返済に充てるのは、今後のライフプラン上不安となります。そこで退職金のうちの700万円を使い繰上返済すれば、59歳までにローン返済が完了できると予測できます。

年金受給額の差以上に、教育資金や家計の
キャッシュフローにプラス


奥様は40歳から約100万円の給与収入があると予想した場合のシミュレーションをしてみました。

チェック! <表1:妻はこのまま専業主婦を続ける場合>

チェック! <表2:妻は40歳から働きに出る場合(年間収入100万円)>

年金受給額だけを見れば、差額は年間14万円程度となります。しかし、教育資金に負担がかかる年代では資金的な支えは重要となります。子育てをしながらのお勤めは大変ですが、夫婦が協力しあう事により、子供の教育資金や精神的な支えの負担は軽くなるのではないでしょうか。年金受給額を増やすという目的よりも、60歳までのキャッシュフローの資金繰りをスムーズにさせる目的から、40歳からのお勤めは有効策の1つといえるでしょう。(ただし、これはあくまでも現在の年金制度での目安です。今後、年金制度改正があれば見直しが必要となります。)

実家の不動産活用はプロに相談を

現在はお父様の家にお住まいされていて、そこを賃貸物件として有効活用される計画と伺いましたが。その件については、素人が生半可な知識で活用された場合、失敗の元となるケースが多く見受けられますので、プロを交えての検討をおすすめします。

チェック! <まとめとキャッシュフロー表>




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