家計診断Q&A

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2世帯住宅を建てる事になりましたが
資金計画や相続で注意する事はあるでしょうか?

山田先生写真
山田 静江先生
(やまだ しずえ)
プロフィール
完全分離型なら、区分登記が有利。他に兄弟姉妹がいるなら、相続対策も必要。

二世帯住宅のトラブルの元を減らすには、分けるべき所をきちんと分ける。

二世帯住宅の建て方と登記のし方で、税金や資金計画が大きく変わる

奥様の預金はなるべく使わず、金利リスクの低い長期のローンを組む

高木 美紀さん(仮名)のご相談
夫の実家の敷地に、二世帯住宅を建てることになりました。同居はあまり気が進まなかったのですが、完全分離型にするということ、いずれ働くときに子どもたちの面倒を見てもらえそうだということで、同意しました。
諸経費を含め、建築費用の予算は約3500万円。義父が1000万円を出し、残りは私たちが負担する予定です。銀行で尋ねたら、2500万円くらいなら貸してもらえそうですが、返済していけるかどうか心配です。
貯蓄は私が独身の時のものを含め1000万円ありますが、それらを購入費用に充てて、なるべくローンを減らした方がいいか、それともすべてローンでまかなった方がいいか、迷っています。また、二世帯住宅を建てるときの注意点などありましたら、教えてください。

高木さん(仮名)のプロフィール
30歳、専業主婦。35歳、会社員のご主人と4歳、1歳の男の子との4人家族。世帯年収は約480万円(手取り額)、貯蓄はご主人名義の600万円、奥様名義の400万円合わせて約1000万円ほど。
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完全分離型なら、区分登記が有利
他に兄弟姉妹がいるなら、相続対策も必要
親の土地に建てる二世帯住宅は、土地の分だけ費用が安く済むなどメリットもありますが、日常生活での親子間のトラブルや、他に兄弟がいる場合には、相続の問題なども起こります。快適に暮らしていくためには、事前の対策が必要です。

二世帯住宅のトラブルの元を減らすには
分けるべき所をきちんと分ける


二世帯住宅では、両世帯の生活スタイルの違いがトラブルの元となる例が多いようです。お互いの生活に干渉しないというのは最低限のマナーとしても、たとえば親世帯が朝型、子世帯が夜型なら、子世帯の生活音がうるさくてゆっくり眠れないといった不満も出てきます。二世帯住宅の設計をする際には、リビングやお風呂、トイレなどの音が、別の世帯の寝室に聞こえないようにするなどの配慮が必要です。
もうひとつ欠かせないのが、電気・水道・ガスなどのメーターを別に設置しておくこと
光熱費がどれくらいかかるかということは感覚でわかるものではありません。メーターを別にして、それぞれが使った分だけ負担するようにすれば、「親世帯が(子世帯が)使いすぎるから(以前より)高くなった…。」という不満は生じないでしょう。親子だから何とかなるという幻想は持たず、トラブルの種は少しでも減らしておくことです。電気やガスなどは、使用料が多いほど高くなるよう料金が設定されている場合が多いので、メーター分けは光熱費節約にも役立ちます

二世帯住宅の建て方と登記のし方で
税金や資金計画が大きく変わる


二世帯住宅には、(1)キッチンやお風呂、トイレなどを共用する「同居型」と、(2)キッチンやお風呂、トイレなど、それぞれが独立して生活できる設備や空間を持ちつつ、玄関など一部を共用する「共用型」、(3)生活空間が完全に分離した「分離型」があります。
高木さんのケースは、「共用型」または「分離型」になると思われますが、その場合、壁やドアなどで仕切られていて独立性があることや、それぞれ直接外への出入りが可能なことなどの条件を満たせば、世帯の居住部分ごとに「区分登記」することができます区分登記すると、不動産取得税、固定資産税などの軽減措置をそれぞれの世帯で受けられるので有利です。
なお、登記は実際に負担した金額で比例配分した割合で登記しないと、贈与税が課税されることがあります。高木さんの場合、親が1000万円、子が2500万円と子の負担が大きいので、(1)それぞれの世帯の床面積に応じた金額を負担する、(2)親世帯と子世帯の居住面積を負担した資金の割合と同じく、10:25にする、(3)たとえば床面積が親世帯:子世帯15:20なら、親世帯部分は親子の共有とし、子世帯部分は子単独で登記する、などの調整が必要です。
また、親が亡くなったとき、自宅以外にはほとんど相続財産がなくても、他の兄弟姉妹から相続分の財産分与を請求されることもあります。遺留分に配慮した遺言を残してもらうなどの相続対策をお願いしておきましょう。

奥様の預金はなるべく使わず
できるだけ長期リスクの少ないローンを組む


ローンの負担を減らすには自己資金はなるべく多い方がいいのですが、万一に備えて月収の3ヶ月〜6ヶ月分の現金は手元に残しておきましょう。また、高木さんは現在専業主婦で自分の収入がない状態なので、結婚前から貯めたお金はなるべく使わずにおくことをお勧めします。
建築費2500万円のうち、500万円は夫名義の預金を使い、残り2000万円については住宅ローンを借りるとすると、毎月の返済額は次のようになります。

借入期間/金利 2.5% 3%  3.5%
25年 89,700円 94,800円 100,100円
30年 79,000円 84,300円 89,800円

高木さんの家計を見ると、現在家賃として支払っているのは、75,000円。毎月返済額は家賃程度に収めるのが理想ですが、毎月約50,000円(年間60万円)、ボーナスから年間80万円くらい貯蓄できているので、固定資産税の負担を考慮しても、毎月90,000円(年間約110万円:固定資産税と合計で手取り年収の約25%)くらいなら無理なく負担できます。
とはいえ、今後はお子さんの教育資金も準備しなければなりません。期間30年で借りて毎月返済額を少なくしておいて、貯蓄に余裕があるようなら繰上げ返済するというのもひとつの方法です。
住宅ローンには、借りたときの金利が変わらない「固定金利タイプ」と、金利見直し時期に借入金利の見直しが行なわれる「変動金利タイプ(固定金利選択型を含む)」があります。変動金利タイプや固定金利選択型は、当初の金利が低いため当面の返済額は少なくなりますが、金利将来金利が上がると、返済額が急激に増えることもあります。長期間低金利の恩恵を受けるには、固定金利タイプを選ぶことをお勧めします




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