保険診断Q&A

節約・ライフプラン
ある女性起業家の悩み・・・「ライフプランと経営プラン、どうすれば両立できる?」


市田 雅良先生
(いちだ まさよし)
プロフィール
キャッシュフロー上で問題点をチェック

加入保険は適切か?

二人の子供が充分に教育を受けるための資金は?

安心できる生活には、やっぱり仕事がポイント

永松 秀子さん(仮名)のご相談
母子家庭になって6年がたちました。今年、10年間勤めた会社からリストラされたのをきっかけに、8月に友人と二人で会社を設立しました。現状としては、月々20万円程度の役員報酬を得ています。
今年、二人の子供の学資保険を全期前納したところ、家計のやりくりが難しくなってきました。そこで、生命保険など生活全般を見直す必要があるのではと思い始めました。このような状況を抜け出すためには、どのように考えればいいのでしょうか?

永松さん(仮名)のプロフィール
35歳、会社役員。12歳(中学1年生)の長女、8歳(小学2年生)の長男との3人家族。世帯年収は240万円、このほか児童手当を2007年まで受給。貯蓄は300万円。
お子さんの進路については高校までは公立、大学については長女は私立文系、長男は私立理系を希望。
 くわしい家計内容等はこちら

2008年には家計が赤字になります!
老後資金を考えるよりも、今の生活の改善を
永松さんのキャッシュフローから見えてきた問題点は、
  1. 児童手当の給付がなくなれば、2008年には年間収支が赤字になります。
  2. 子供の教育費用がピークになる大学入学の時には貯金が底を尽き、さらに貯蓄残高がマイナスとなってゆき、このままでは家計破綻となってしまいます。
チェック! <図1:現状のキャッシュフロー表(pdf:65KB)>

現在加入している保険の分析をしてみましょう。
  1. 定期付終身保険

    基本になる終身保険ですが、いわゆる終身保険ではなく、ガンの保障などに力を入れた医療終身保険というタイプに加入されています。年払保険料115,548円、死亡保障2700万円、保障期間45歳までとなっていて、その後、更新していくためには「掛け金が増える」タイプの保険です。

    (分析結果)→ 医療の充実も必要ですが、永松さんの場合は生活費の維持、特にお子様の教育費にお金がかかる状況なので、まずは死亡保障を充実させておきたいものです。そこでシンプルに定期保険のみを検討し、オーバーデコレートな部分は取り除くことをお勧めします。例えば、2700万円の死亡保障を200万円減額、入院保障はそのままにして他の特約をはずす。このようにシンプルにすることで、年払保険は100,000円程度に納まると予測されます。

  2. 個人年金生存保障重点型

    保険料払込期間中の死亡保障額を抑え、将来に受取る年金額が多くなるように設計された年金保険です。加入時に選択した年金の種類に加え、将来のニーズの変化等にあわせて、年金の種類や受取時期等の変更も可能という個人年金保険です。
    200万円の年金を受給するために、年払保険料が224,743円となっています。

    (分析結果)→ 貯蓄タイプの個人年金保険は、「25年後の安心」を目的としたものです。でも、25年後よりも、すでに「今が不安」といった状況のご様子です。そこで、老後資金よりも現在の生活費にポイントを置いたプランに修正されることをお勧めします。
    例えば、年金受取額200万円を100万円に減額します。すると、年払保険料224,743円は、112,000円程度に納まるものと予測されます。

  3. 育英年金付きこども保険

    幼稚園入園・小学校・中学校・高校・大学の入学にあたる年齢ごと、および満期時に祝金が受取れるタイプのこども保険です。契約者が万一の時は、満期の22歳まで年金が払われます。ちなみにこの保険では、子が中学生時代に契約者である親が亡くなった場合には60万円×3回+高校生時代80万円×3回+大学生時代100万円×4回が保障されることになっています。

    (分析結果)→すでに前期全納払いにより、今後の掛け金は不要となっていますが、満期が22歳となっていますので、お金が大変必要になる18歳時点では、祝い金の100万円程度のみとなります。ちなみにこの保険では祝い金を中・高の進学毎に受けとらずに据え置いた場合には200万円程度の用意となりますが、それでもまだ不安でしょう。つまり、教育資金需要時での資金調達額をこの保険のみで対応することは、難しいと思われるので、教育積立貯金など他の積み立て方法も追加検討したいものです。
支出の見直しは、保険の見直しから
何でも保険という考え方は一度捨てることも


生活費の内訳の一般データを知りたいとのことでしたので、家計調査のデータを表にしてみました。家計費の調整の目安にしてください。

チェック! <参考>総務省「家計調査」平成15年
世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出(勤労者世帯)
 
ところで永松さんの家計費用ですが、相当に頑張っておられるようにお見受けします。

最近、「必要以上に国や企業に依存しない」「自助努力が必要」という言葉をよく見聞きするようになって来ました。そのような社会において、「リスクのすべてを保険で賄う」という考え方は、いわば「チョットずれてる」といえるのかもしれません。保険は、「安心のために、何が何でも保険には入っておかなければ・・・」と思われている方が多いようですが、保険料支出の「費用対効果」を重視して、是非、再検討してみてください。
例えば、不況などによる収入減などの「軽度のリスク」は「貯蓄」で対応し、死亡・倒産などの「重度のリスク」は「保険」で対応をするといったようにしたいものです。また、高齢時(平均寿命以上)における入院保障については、保険より貯蓄で対応できるように検討されてみることをお勧めします。
生命保険は、個人の価値観で判断されるべきものです。「どこで安心感が得られるか」ということがポイントといえるでしょう。
保険の見直しでは、具体案として見直し後の保険料の大まかな数字を出してみましたが、保険証券の詳細をチェックし、「どのような目的で保険加入されたのか」をじっくりと考えていただいた上で、見直しすることをお勧めします。

自分の前向きなチャレンジで収入を確保しましょう

やはり、永松家の家計の安定には「収入の安定と増加」が重要課題です。つまり、経営されている有限会社の収入アップと経常利益の確保にポイントがあるといえます。是非、経営を安定させ、その果実としての役員報酬のアップにつなげて、家計に持ち帰るお金が増加できるよう、頑張っていただきたいと思います。
ところで、「好きこそものの上手なれ」とよく言われますが、自分の好きな事が収入に結びつくとしたら、きっとそれは、「幸せ」であり「楽しみである」といえるでしょう。永松さんはいかがでしょうか?
「自らで進んで変わっていった」と「不本意ながら変わらなくてはならなかった」では、もう天と地ほどの違いでしょう。ならば、是非「自分自身が積極的に求めて変化していく」とありたいものです。たとえその状況が「リストラ」などといったネガティブなものであっても、「好きなことができるチャンスだ」とポジティブな心で進んでいこうではありませんか。きっとそれは「熱意」となり、行動への原動力となり、前進する力になるでしょう。
人生とは「終わり無きチャレンジ」です。すべてのライフプランにいえることですが、一つの目標が達成されることは、また次なる目標がすでに発生しているということでもあります。つまり、ライフイベントの目標が達成される都度ライフプランを見直し、軌道修正するわけですが、それにはやっぱり「義務的」や「楽になりたい」といったネガティブな心ではなく、「好き」といったポジティブな心で向かいたいものです。「好き」という思いは「熱意」や「努力」といった大きな力を生み出してくれるはずです。目的のための困難も、きっとその思いがささえてくれるでしょう。そう、「人生も仕事もすべからく、好きこそものの上手なれ」でいこうではありませんか

具体的対処法により家計維持を想定した方法
  • 保険の見直しで保険料が減額できれば、費用の再構築ができます。年間ベース340,291円となっている保険料ですが、見直し方にもよりますが、212,000円に減額します。
  • 現在、役員報酬額が20万円となっていますが、このままでは生活が成り立ちません。損益分岐点としては、収入を28万円にアップすることと想定してみます。
チェック! <図2:対策後のキャッシュフロー表(pdf:65KB)>
結果、対策後のキャッシュフロー表の試算では、貯蓄残高の赤字はまぬがれることになります。(キャッシュフロー表の数値はあくまでも予想数値としていますので、将来の絶対数値ではないことを念頭に努力目標の目安にしていただければ幸いです。)

事業用のお金と家計のお金、備えのお金の3つに分けて管理を

永松さんは「貯める」ためにどんな工夫をされていますか?
ベストな工夫の一つとしては、お金の流れを「書き留める」ことです。「書き留める」ことを繰り返し習慣にすることで「何の目的で」「幾らのお金が必要なのか」が見えてきます。見えてくるということは、「目的に必要な金額がわかる」ということになります。
自営業は、一人の人間が表と裏を同時に取り仕切ることです。そこで、「表(おもて)である事業用」と「裏である家計」を「区別してお金を貯める」必要が出てきます。区別せず“公私混同”したならば、事業においても家計においても、きっと複雑怪奇なお金の流れとなってしまうでしょう。とはいえ、やむを得なく金銭的な理由から、事業資金に個人資金の流用が必要となる場合もあるかもしれません。サラリーマンの場合「家庭に持ち帰った給料を再度会社に入金しなければならない」ということはまずありえませんが、自営業者では「事業用に流用してもいいお金のプール」が必要となります。もちろん“公私混同”はいけませんが「万一の場合の事業用のお金」を、家計のなかにおいても「区別をしてプールしておく」ことは、起業家としての対処方法の一つといえるでしょう。
そこで、永松さんがお悩みの事業と家計の将来への不安の解消のために、「表(事業)に流れるお金」と「裏(家計)に流れるお金」をそれぞれ書き留め、目的に必要な額を設定し、それに向かって「備えるために貯める」ことをお勧めします。


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