保険診断Q&A

節約・ライフプラン


子ども達も社会人となり、夫婦連生保険を見直したいのですが
一人の保障を減額するともう一方も下がると言われました


市田 雅良先生
(いちだ まさよし)
プロフィール
夫婦連生保険のメリット・デメリットを確認
ライフプランに合った保険の見直しポイント
老後資金の備え方

赤井明子さん(仮名)のご相談

まもなく、夫婦連生終身保険の更新時期がやってきます。二人いる子供は社会人になったので、この際に保障額を見直したいと思っています。

私の保障を減額したいと保険会社の担当者に申し出たところ、「減額すればご主人の保障も下がってしまいます。」と言われました。現在、貯蓄ができない状況です。老後の備えを考え、まず保険の見直しをと思っていたのですが、つまずいた格好になってしまいました。どのように見直せばいいのでしょうか。

赤井明子さん(仮名)のプロフィール

47歳、主婦。49歳の夫と、長男24歳、長女21歳の4人暮らし。住まいは持ち家(60歳までローン返済中)。
収入
給与 35万円
(税込み40万円)
 
支出
基本生活費 25万円
生命保険料 個人年金保険
1万円
夫婦連生保険
3万円
住宅ローン 6万円
(60歳までに完済)
合計 35万円

 


夫婦連生保険をご主人一人の終身に、奥様は医療保険に切り替えて老後の蓄えに
1.夫婦連生保険は何がお得?

加入している保険(表1)

まず、夫婦連生保険の特徴を知っておきましょう。
・夫婦の保障を1つの証券で済ませることができる
・夫婦別々で加入するより保険料が割安になる
ということが上げられます。

また、連生保険のパターンは大きく3つあります。
パターン1 夫婦それぞれの死亡時に保障がある
パターン2 どちらかが先に亡くなった場合に、保険金が払われる。その時点で契約は終わるが、残った配偶者は終身保険を契約することができる
パターン3 どちらかが先に亡くなった場合に保険料が免除となり、後に残った配偶者に保障が下りる。

赤井さんが加入されている連生終身保険で、デメリットと感じる点

夫婦の保障額は第一被保険者(赤井さんの場合はご主人)10に対して第二被保険者(明子さん)6の割合が決まっているため、ご主人の保障額の増減によって明子さんも同じ割合で増減してしまうという点にあります。したがって、第二被保険者(明子さん)の保障を下げれば、ご主人の保障も下がってしまいます。
※ 注意点:保険会社によって、夫婦が連動しないものもあります。また、夫婦同額での加入という商品もあります。

ご主人のお勤め先が、平気で給料やボーナスがカットされるようですし、奥様も派遣社員ということで不安定とのことですが、そうなりますと毎月の収入が急に途絶えることも考えなくてはいけません。そのためにもぜひ最低限の貯蓄は残しておきたいところです。今の貯蓄額も決して多くはないため、手をつけないことが大切です。

連生保険以外で夫婦保障が付けられるものもある

定期付終身保険に妻子型の死亡保障を付加することで、妻子が別々で加入するより割安な保険料となることがあります。医療保障についても「本人・妻型」や「本人・妻・子型」を特約で可能となる保険もあります。ただ、こういった場合には、本人対妻の割合は10対6としている場合が多く、医療保障についても、妻の保障がもの足りないと感じる方が多々あるようです。

2. 赤井さん一家に必要な保障とは

赤井さんが今後のライフプランを考えて保険に期待する保障とは

(1) 夫の死亡保障も、子どもの独り立ちに際して減額したい
現在の4,000万円から、必要保障額で出した2,000万円へ減額。この額は、あくまでも目安なのでライフプランの見直しとともに増減の検討が必要です。必要保障額の計算(表2)
(2) 妻の死亡保障も、うんと少なくしたい
今、妻に先立たれても残された家族が経済的に困るかといえば、それはなさそう。だったら、「なし」でもいいと思っている。
(3) 妻の医療保障を充実したい
死亡保障よりも医療保障を充実させたいので、毎月の支出に負担がないように加入した。

夫婦連生保険を見直すことにより、約3万円が約1.5万円に。貯蓄に月1.5万円回すことが可能となります。

3. 保険の見直し解決策は

見直し後の保険(表3)

(1)夫の保障額の減額でどうなる?

上記で述べたように連生保険のパターンは3つあります。保険会社に問い合わせたところ、赤井さんが加入されている保険は「夫一人のみの終身保険に変更可能な保険である」という点に注目してみました。 定期付終身保険への変更が可能ということなので、バランスをとり、定期部分1,800万円、終身部分はそのまま200万円のトータル2,000万円の死亡保障を残しました。

(2)妻の医療保険の加入

医療保険加入にあたっては、「入院日額の目安を、幾ら位に設定すればいいのか」ということになりますが、健康状態が良いと悪いとでは目安が違っていきます。悪い場合には入院の可能性がとても高くなり、その分給付日額は高く設定しなければなりません。(財)生命保険文化センターの平成16年のデータでは、1日平均14,700円という結果が出ています。もし健康状態が悪いのであれば、この金額に近く設定する必要がありそうです。しかし健康状態が良い場合は、最悪で入院した場合は1日あたり14,700円を見積もっておかなければなりませんが、入院する確率が低いと考えるのであれば、その確率を見積もって割合を決め医療保険の入院日額の設定を決めておけばいいのではないでしょうか。ちょっとアバウトすぎると感じるかも知れませんが、確率論から効率的と思われる額を見つけ出しましょう。明子さんの健康状態から考えていただいたところ日額8,000円タイプで検討していきます。

掛け捨て型の医療保険は、いろんなところで見積もってもらいました。そうすると60日タイプの入院日額8,000円が月額保険料4,213円。120日タイプだと月額保険料5,565円になるということになりました。

「支払限度額」からも検討しなければなりません。60日タイプだと1入院における支払限度額が48万円となりますし、120日タイプだと96万円となります。入院は長期になれば、費用負担が高額となってきます。もっとも、長期保障の730日タイプなどがあるのですが、ここは120日タイプを選択されることになりました。
※この保険会社の場合は、60日タイプも120日タイプも入院通算日数は730日となっています。

(図1)入院時の自己負担費用「1日あたりの自己負担費用」

<(財)生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成16年度>
※食事代や差額ベッド代等を含む。高額療養費制度による払い戻し前の平均。

「保険に何を求めるか」ですが、一般に保険金は多ければ多いに越したことはないと考えますが、その分多くの保険料を負担していかなければなりません。では、妥当な保障額はどれくらいなのか、また保険料の掛け金はいくらくらいなのかの目安ですが、それはどこに上限を引くかにかかってきます。といっても、その線引きが難しいのですが、「定性的評価※」をして自分のライフプランをしっかりと持ち、さらに「定量的評価※」をデータや確率的な数値で合理的に決めていく」が、納得のいくところとなるのではないでしょうか。
※定性的評価とは「生きがい・生き方」や「健康」といった数値化できない個人的な感想等
※定量的評価とはいろんなデータの率やトラブルの発生頻度などの指標が定量化・数値化されているもの

(3)老後資金の備え方 ―3,000万円が必要?

老後の生活の不安から、将来の備えをする人がずいぶん増えました。
一般的にサラリーマンであれば、60歳の定年時期に2,000万円から3,000万円の貯蓄が必要といわれています。この根拠としての考え方は次のようなものです。

厚生労働省の夫婦二人のモデル年金は約23万円。そして生活支出は、総務省の家計調査から約28万円といわれています。その差が月額5万円です。年間ベースで60万円、10年で600万円、30年で1,800万円・・・つまり「貯蓄の取り崩し」が必要になるということです。生活費用だけでもこの目安になると考えると、家の修繕や、車の乗り換え、子供の結婚援助資金、お付き合いなど、諸々を考えていけば、2,000万円〜3,000万円(退職金等も含めて)ということになるのでしょうか。

では、どのような貯蓄の仕方と運用方法があるのでしょうか。やはり、定期預貯金、個人年金、変額年金、一時払い終身保険、国債や公社債、外債、外為、不動産投資、株式投資や投資信託などになるでしょう。

元本の安全性を注目するなら、預貯金や国債、公社債や個人年金、一時払い終身などでの安全運用があります。またリスクが伴って資金運用会社の実績で大きく差が出ますが、長期で考えるなら、変額個人年金や投資信託などを検討したいところです。

個人年金や一時払い終身は、保険会社ごとに予定利率などが違うので、それぞれ見積もり検討したいところです。外債や外為は、為替による差損差益があるので、できれば複数の通貨を組み合わせたファンドを選んでおいた方が安全でしょう

いずれにしても、年をとってから働いて貯めるのは難しいものです。ボーナスを利用しての効率的な積立と、社会人になったお子様からの、同居中の生活費の負担金など話し合いをして協力を仰ぐとともに、資金が積み上がれば効率的な運用、そして分散に心がけたいものです。


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