家計診断Q&A

家計診断Q&A


夫を4年前に亡くし、両親と同居しています。
老後に向けてどのように計画したらいいでしょう?


山田 静江先生
(やまだ しずえ)
プロフィール
遺族年金分を確実に貯め、お子様の独立後はお子様にかかる費用分も貯蓄する。
ライフプランの変更による減収や支出増に備え、10年後2,000万円を目標に貯める。
今後の貯蓄計画には、預金以外の金融商品を取り入れる。

入江まゆみさん(仮名)のご相談

34歳の時に夫を事故で亡くしましたが、その後も夫の両親、妹、私の長男と一緒に暮らしております。
長男の大学進学も決まり、自宅からの通学ができる事になり、教育資金も今まで貯めた分で賄えそうです。

早くに結婚したうえに、両親と同居なので住宅ローンなどの心配がない、食費、光熱費などあらゆる面でとても恵まれた環境にいました。子育てが一段落したので、これからは長男の結婚資金、車の買い替え、老後の資金などを貯めていきたいと思っております。
現在は会社員で、手取りで月20万円と、遺族年金から月12万円(150万円/年)ほどの収入がありますが、子が18歳になったので、遺族年金は2007年4月から46万円/年に。2008年からは106万円/年になります(図1参照

貯蓄は現在、定期預金に500万円、普通預金に40万円あります。また別に400万円を息子の学費用に取ってあります。計画するのが少し苦手なので、これからどのように貯金、運用していけばいいのかご指導を頂きたいと思っております。

 

入江まゆみさんのプロフィール

38歳、会社員。長男18歳と義父65歳、義母63歳、義妹38歳と4人暮らし。
手取年収は290万円。詳細な収支表はこちら

相談者
年齢 38歳
性別 女性
職業 会社員
手取年収 290万円
他に遺族年金あり (〜H19年3月:
約150万円/年、
H19年4月〜:
約46万円、
H20年10月〜65歳:
約106万円)

 
家族構成
長男 18歳(学生)
義父 65 歳(農業)
義母 63 歳(農業)
義妹 38 歳(会社員)
住居 持ち家(ローンなし)
 

遺族年金を確実に貯めながら、
長期の運用は金融商品の分散投資で
1.遺族年金分を確実に貯める

息子さんのご入学おめでとうございます。大学進学でひと段落着いたことと思います。ご主人を亡くされてからのこの4年間は、いろいろ大変でしたね。若いときに結婚して同居されているので、義父母にとって、まゆみさんは実の娘同様の存在なのでしょう。ご主人亡きあと、義理の娘そして孫を見守ってくださったのだと思います。

ご家族みなさんにしっかりとした収入があり、まゆみさんは家計の一部を担っているだけなので、経済的には問題ありません。とはいえ、自動車2台分の維持費やお子様にかかるお金などで給与収入のほとんどはなくなってしまう状態です。幸いまとまった額の遺族年金が入るので、まずはその分は確実に貯めていきましょう(表1参照)。また、個人年金(月額保険料3万円/年間36万円)にも加入されているので、その分も貯蓄と考えることができます。

まゆみさんが受け取っていた遺族年金は、遺族基礎年金(約79万円)と遺族厚生年金(46万4,000円)でしたが、お子様が18歳になると遺族基礎年金はもらえなくなります。その代わり、まゆみさんが40歳になると65歳になるまで約60万円の中高齢寡婦加算が上乗せされるので、遺族年金額は約106万円に増えます。
※年金改正で、H19年4月以降は中高齢寡婦加算の支給要件が厳しくなり、夫が亡くなったとき、または遺族基礎年金が支給されなくなったときに「40歳以上」の女性が対象になります。まゆみさんはぎりぎりで、改正前の要件(35歳以上)が適用されています。

また息子さんが就職したあとは、現在息子さんのために支出している額(こづかい、自動車関連費用など)約45万円も、貯蓄にまわすことができます。息子さんが結婚されたときの援助を考えているなら、独立と同時にこういった子関連の支出は本人に負担させるようにしましょう。

2.ライフプラン変更に備えて、10年後に2,000万円を目標に

息子さんが就職するまでは遺族年金分を貯め、就職後は子関連支出分を貯めていくことで、現在540万円の貯蓄(学費分400万円は除く)を、10年後には2,000万円に増やすことが可能です(個人年金での積立額も含む:表2参照)。
現在の経済状態がずっと続けば、無理せずとも60歳時には約3500万円の貯蓄が可能です。退職金500万円も見込めることと、公的年金が最低でも年間120万円程度(老齢基礎年金)で、老後は万全といえます。息子さんへのさらなる援助(住宅購入資金など)も可能かもしれません。

しかし、まゆみさんはまだ38歳。今後、再婚したり、婚家を出て暮らしたりすることになるかもしれません。あるいは、現在は元気に働いていらっしゃる義父母の介護が必要になって、思うように働けなくなったり、支出が増えたりする可能性もないとは言えません。
こういったライフプランの変更で、貯蓄ペースがダウンしたとしても、年間30万円貯蓄ができれば、その後予定した支出(お子様の結婚時の援助や自動車購入)を行っても、60歳時には2,000万円は残ります。

3.多種多様な金融商品を取り入れる

ただ貯めていくだけでも十分な老後資金準備ができそうですが、これだけまとまった資金があるのですから、今後は運用利回りを上げることも検討してください。表2を見てわかるように、貯蓄残高を1%高い利率で運用できれば、60歳時の残高は400万〜500万円も多くなります(0.5%vs1.5%)

元本保証型であれば、変動金利型の個人向け国債(10年)や、ネット銀行の定期預金など、一般の預金より高い金利が得られる金融商品があります(個人向け国債は中途換金では手数料がかかる点に注意)。

また、運用期間が数十年と長期間になるので、インフレに備えるためにも、一部に株や債券などの「リスク商品」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

リスク商品をご利用になるときには、必ず、「長期運用」と「分散投資」(株と債券、国内資産と海外資産など値動きの異なる資産を組み合わせて投資する)を心がけてください。分散投資をするには、少額で多種多様な対象に投資できる投資信託がお勧めです。投資信託は1万円程度から購入できますので、たとえば月々の貯蓄は投資信託で行ない、ボーナスや年金からの貯蓄は元本保証型を利用するというように、金融商品の勉強を兼ねて、少しずつ挑戦してみてください。

 




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