家計診断Q&A

家計診断Q&A
今回のご相談テーマ
 

必要以上に節約しているのではと不安です
家族でのレジャーや娯楽はどのくらい使って良いのでしょう?

 
今回、回答いただく先生は

山田 静江先生
(やまだ しずえ)
プロフィール
アドバイスのポイント
  • 今後かかる教育費の金額および時期の目安を知り、3人の子それぞれの分を貯めていく。
  • 教育費以外の大きな出費を書き出し、貯蓄計画を立てる
  • あらかじめ取り分け貯蓄をしたら、残りは余裕資金と考えてOK。

嶋村紀子さん(仮名)のご相談

自分がきちんと家計管理をできているかどうかが判断できず不安で、ついつい切り詰める事ばかり考えてしまいます。食費の割合はかなり高いのですが、3人の子どもが食べ盛りであり食事は健康を維持するおおもとだと考えているので、どうしてもこの程度かかってしまいます。

家族のためにも、もう少しレジャーやお楽しみに使ってもいいのではという漠然とした不安があります。

「このくらいは趣味・娯楽費に回しても大丈夫」という目安を知りたいです。

嶋村さんのプロフィール

43歳。46歳、会社員の夫、長男(14歳 学生)、長女(12歳 学生)、次男(6歳 学生)の5人暮らし。住まいは持ち家(ローンなし)。

項目 毎月 ボーナス時 備考
食費
100,000
 
学校給食費含む
水道・電気・ガス代
18,000
 
 
通信費
17,000
 
新聞代含む
子ども費(学費など)
8,400
 
学校学費
24,000
 
塾費用
10,500
 
習い事ゴト費用
10,000
 
その他文具・学用品など
ガソリン代
7,000
 
 
レジャー費
10,000
 
 
夫こづかい
30,000
140,000
毎月は、「2万+残業手当の1割」
妻こづかい
5,000
60,000
 
子どもこづかい
1,700
 
 
日用・医療・交際・被服等
30,000
58,430
 
生命保険料  
503,570
 
学資貯金  
498,000
 
住宅維持・家電買い替カえ費
17,000
 
年間合計 21万円
固定資産税・火災保険
12,700
 
年間合計 153,000円
自動車費用
15,500
 
車検・自動車保険・自走車税など
臨時・不定期支出用
40,000
 
冠婚葬祭・行事・旅行・各種会費・冬季燃料費等
貯蓄
53,200
740,000
年間合計 130万〜160万円
(学資貯金含む)
合計
410,000
2,000,000
 

教育資金を100万円とあらかじめの取り分け貯蓄で
それ以外の余裕資金はレジャーに使っても大丈夫

支出項目の中に、目的別の貯蓄項目があるなど、家計管理はしっかりされているという印象を受けました。この調子で管理していけば、大きな失敗はないでしょう。食費が多い事を気にされているようですが、5人家族で外食が少なく(=家で食べることが多い)、家計全体から見ても決して多いというほどではないので、ご安心ください。
まとまった額の貯蓄ができているのに不安が残るのは、将来の支出に対応できる金額を準備できているかわかりにくい、というのが大きな理由だと思います。

まずは今後予想される大きな出費である「教育費」についてみていきましょう。

1. 教育費がかかる時期と金額の目安

図表1は、文部科学省などのデータから作成した、教育費の平均値です。全国平均なので、嶋村さんのケースとはやや異なる部分もあるかもしれませんが、学費や塾代、こづかいその他、今後お子様にかかるお金が増えていくことは間違いありません。特にお子様が中学生から大学を卒業するまでの10年間は、塾代、入学関係費用、学費と次々にお金が必要になると覚悟しておきましょう。

図表2では、お子様たちに今後、平均的な教育関係費がかかるとすると、嶋村さんのお宅では、どれくらいの支出になるかを計算してみました(A)。

予定通り公立高校に入って、大学は私立の文系だった場合でも、娘さんが高校に入る年から大学を卒業する年までは、年間150万〜300万円の出費が予想されます。また、下の息子さんは上の二人とは少し年齢が離れているため、大学を卒業するのは、ご主人が60歳を過ぎてからになる点に注意が必要です。

大学の学費分をあらかじめ貯めておき、貯蓄を取り崩していく(B)ことにした場合の、家計の負担を計算してみたのが(A‐B)です。

上の二人については、大学入学時に100万円、2〜4年次は80万円を貯蓄から充当し、下の息子さんについては、大学でかかる教育関係費を全額貯蓄から充当すると、家計の負担は、娘さんが高校に入学する年を除くと、現在とほぼ同じか、少なくなります。サラリーマンの場合、55歳を過ぎると役職手当がなくなるなどの理由で、給与が下がることが多いので、下の息子さんについては、大学にかかる費用全額をあらかじめ準備しておけば、収入が減っても安心です。

高校が私立になった場合、3年間では約100万円、公立より出費が増えます。高校以降は受験というハードルがありますし、本人の希望もありますから、親の予定通りにいかないこともあります。そういった事態に備えて、可能なら目標額を上積みしておきましょう。

また、何にでも使える備え貯蓄をしっかり準備しておきたいものです。

大学が自宅外通学になる場合には、学費のほか生活費(仕送り)も年間120万円程度必要になります。親が負担できる金額には限界があるので、そういう場合には、奨学金などを利用して、できるだけ本人にも負担してもらうような方向で話し合ってみてはいかがでしょうか。

2. 教育資金の貯蓄計画

きょうだいそれぞれについて、大学の学費等を貯蓄から捻出するための貯蓄計画を立ててみましょう。(図表2参照
ご長男については、現在ある学資用積立90万円に、大学入学までの5年間に毎年50万円を積み立てて、合計340万円を準備します。娘さんについては、大学入学までの7年間で350万円。また、下の息子さんについては、ご長男分の積立が終わる6年後から50万円を2年間、娘さん分の積立が終わる8年後から4年間は100万円に増やすと、ご主人が56歳のときに500万円を準備できます。

学資用積立約50万円のほか、年間130万〜160万円の貯蓄ができる家計なので、年間100万円の教育資金積立は十分可能です。余裕があるなら、多めに貯めていってもいいでしょう。積み立てと同時に取り崩しもしますので、学資用の口座を分けて管理することをおすすめします。

また、物価というのは毎年少しずつ変動しますが、教育費については、毎年少しずつ値上がりしているのが現状です。使うのが10年以上先になる下の息子さんの教育費は、少し多めに見積もっておくことをお勧めします。

3. その他の大きな出費と、レジャー費

このほか、将来大きな金額の出費が予想されるのは「自動車の買い替え費用」と「家のリフォーム・修繕費」です。教育費とちがって、時期や予算はある程度自分の意志で決めることができるので、計画を立てて貯めていってください。

こうやって、あらかじめ目的ごとに先取り貯蓄をしておけば、それ以外の余裕資金は自由に使っていいお金ということになります。

もちろん老後資金や備え貯金はできるだけ増やしておきたいところですが、旅行などで家族の思い出を作ることも大切です。あと数年すると、部活や塾、友人との付き合いなどで忙しくなり、家族で出かける機会も減ってしまうかもしれません。
過大なローンを抱えているとか、貯蓄できない問題家計というわけではないので、どうぞ安心して、家族旅行を楽しんでください。たとえば「嶋村さんが働いて収入が増えた分」を別にプールしておいて、旅行資金として使うようにしてはいかがでしょうか?

なお、家計支出については、現状では特に無駄は見当たりません。生命保険の保障額も適正だと思います。それでも保険料がやや高めなのは、ご夫妻がともに終身保険に加入されているからです。

終身保険は積立部分があり、死亡保障としてだけでなく、将来一部または全部を解約して、解約返戻金を老後資金として活用することもできます。家計支出の見直しや資金が必要な場合には、この終身保険の保険金額を減額してもいいかもしれません。たとえば保険金額1000万円を500万円に減額すると、支払い保険料は半分になり、また減額した分(保険金額500万円)に対応する解約返戻金が受け取れます。

Copyright(C) NTT IF Corporation All Rights Reserved.