家計診断Q&A

家計診断Q&A
今回のご相談テーマ
 

市民税の滞納と国保の未納分は
銀行ローンを組んで一括返済した方が良いでしょうか?

 
今回、回答いただく先生は

山根 克規先生
(やまね かつのり)
プロフィール
アドバイスのポイント
  • 金利負担が少なくなる事を考える。
  • お金は最初に貯金して、残りで生活する。
  • 必要のない無駄な支出は避ける(特にローンは禁物)。

愛知 裕子(仮名 25歳)さんのご相談

去年の11月から彼氏と集合住宅で同棲を始めました。 同棲前からお金は貯めていたのですが、入居の準備や軽自動車購入などで出費が重なり、ローンがいくつかあります。

それ以上に、前に住んでいた市から市民税未納ということで2人とも請求がきており、今は1万円ずつ分割にしてもらい支払っていますが、国民保険の未納分などもあり、2年を越すと国保は支払えないということを知り、最近国保未納分も払っています。国保の13,860円ですが、私が短大の頃 の20歳から10ヶ月分で追納予定分です。税務課の人は追納については個人の自由ということでしたが、払ったほうがいいのでしょうか。どうしたらいいでしょうか。なにを先に返済したらいいのでしょうか。

さらに今住んでいるところの市民税もきており、支払いが追いつかない状態です。銀行で過去未納分と現在市民税の全額分を借りて、市民税や国保の未納分をまとめて支払い、銀行に毎月2〜3万円のローンを返す形にしたほうがいいのか迷っています。

愛知さんのプロフィール

25歳、会社員。24歳、会社員の彼氏と2人暮らし。月給料は、彼氏27万円と私17万円。派遣社員なので月によって多少給料が変わります。
世帯月収:約40万円
住居: 賃貸

キャッシュフロー表

借入れは増やさず、ローンを減らし
お金の管理を楽しみながら学びましょう

たぶん周りに相談することも出来ずに苦しまれたことでしょう。 本来行政担当者が対応できればとも思いますが、立場上難しいのでしょうね。

さてまず結論から先に言えば、銀行などから新たに借入するのではなく、滞納分の住民税は分割して完済しましょう。そして国民年金のことを言われていると思いますが、2年の時効を過ぎて支払ができない部分はあきらめて、今支払うべきお金をお支払い下さい。もし将来かけている部分を補おうと思えば、それが可能な制度がありますので、安心して現状からの脱却を目指しましょう!

それでは、もう少し具体的にお話しましょう。銀行などの金融機関から借入すると、当然金利が発生します。金利の負担が増える分返済も遅くなります。住民税などの場合も、延滞金に対する金利負担があり、銀行で借りるのと同等な金利です。しかし、一生懸命支払う意思のある方であれば、分割にして誠意を持って分割の期限通りに支払う限り、一般的には金利負担が発生しません。ただ自治体などによって対応も違いますので、担当の方にしっかり相談してみましょう。とにかく支払の意思があることをしっかり伝え、無理の無い計画に基づき、誠意を持って支払うことです。

また国民年金は20歳から60歳までの40年間支払うことで満額の年金が65歳から支給される制度で、40年間で満額ですから、支払期間に応じて削減されます。ただし最低25年以上の支払が必要になります。会社にお勤めの場合は、厚生年金の支払いで国民年金の支払いも兼ねています。今後支払い続けた後に、任意ですが、満額に近づくように収める制度がありますから、ご安心下さい。将来も大切ですが、今を立て直すことがもっと重要です。

将来のためにもお金の管理をきっちりと

お金の管理がきちんとできれば、将来とってもハッピーな人生が送れますよ。今ご経験されているように、お金の管理ができていないと、色々と苦労が絶えませんからね。

では具体的に考えましょう。現在でも多少貯蓄ができているようですから、このようなプランはいかがでしょうか?お二人のお給料が入るたびにその10%を始めから抜きます。これを全て貯蓄、といいたいところですが、まず半分ずつに分けて(5%ずつ)、絶対に使わない貯蓄と、使うための目的貯蓄にしましょう。例えば総合口座の通帳であれば、定期預金口座と、貯蓄預金口座がセットになっていることも多いので、1冊の通帳で3つの口座を持てます。定期預金口座には使わないお金、貯蓄預金口座には使うお金を入れましょう。

そして残った90%の中で生活できる癖をつけてみましょう。お金はあればなくなります無ければそれに合った生活をするのが人間の習性です。つまり適応能力があるのです。

お伺いした収支からすれば、十分に可能であると思います。今まで何気なく使っていたもの一つ一つに、意味や必要性を考えるようになれば、一歩前進です。これを買うのは本当に必要なのか、私にとって意味がある支出なのかということを考えるクセが、お金に苦労しないためには絶対に必要です。例えば家計簿などをつけていなければ、ちょっとしたお小遣い帳をつけると効果倍増です。毎日の支出や、100円くらいの支出にも意識が行くようになります。

そうして少しずつ貯まっていく通帳の金額を見て、さらに頑張る励みにして下さい。絶対使わない貯蓄は、将来生活する上で富を生み出す「金の卵」として大切に育てましょう。金額に応じた運用方法などはその都度少しずつ勉強することをお勧めいたします。

使う貯蓄は、何かに使う目的で貯める貯蓄ですが、今はローンがありますので、ある程度貯まった度に、ローンや滞納分の支払に当ててはいかがでしょうか?そうすれば予定より早くローンがなくなりますよ。ローンが無くなったら、先で購入する車用の貯蓄や結婚用貯蓄、さらにはお子さんの教育用貯蓄などを考えてみると良いでしょう。

今はお金管理の勉強の時期なのだと思って、楽しみながら取り組んでみましょう!何事も楽しくないと続きませんからね。でも本当に楽しくなりますよ!そのうちに自然とお金の管理ができるようになり、人生が好転し始めます。

そうすると先ほどの10%を20%、30%と増やし、「金の卵」貯蓄、「目的」貯蓄、とさらには「楽しみ」貯蓄といって、何でも好きなことに使える貯蓄を持つことをオススメします。これはちょっとした旅行や買い物、趣味等、自分自身にご褒美を上げるつもりで貯蓄します。毎月や2,3ヶ月に1回の割合で使うようにして、人生を楽しみましょう!さらに前向きにそして楽しく人生を送れるようになるはずです。

このようにお金を管理する上でも、大切になってくるのが、普段何気なく支払っているお金に注目するということです。

例えば生命保険、内容が自分自身にふさわしいのか、本当に必要なのか、検討してみる必要があります。お母様が外交員をされているということで、お任せのようですが、これはよくありません。お金を管理する上で、支払っているものの意味を十分に把握しておく必要があります。独身、仮にご結婚していたとして、共稼ぎでお子さんがいない状況においては、生命保険が高いように感じられます。必要性があれば問題ありませんが、一度お母様と真剣にお話してみて、十分ご理解した上でのご加入をお勧めいたします。

他にも携帯や水道、お小遣いなど見直しの余地は色々あると思います。これらを同時にしていくことで10%と言わずに、もっと貯蓄ができ、ローン返済も早くなるかもしれませんね。

とにかく今、お若いうちにお金の管理ができるようになれば、将来が全く変わったものになります。知っているか知らないか、やるかやらないかで人生は大きく変わります。ぜひ少しずつ、また楽しみながら頑張って下さいね。

それと最後に、ローンを重ねるとだんだん身動きが取れなくなります。人生の選択肢が狭められるともいえます。極力ローンは避けましょう。「借金は欲望の前倒し」です。我慢して、貯めてから買う癖をつけていきましょうね。


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