家計診断Q&A

家計診断Q&A
今回のご相談テーマ
 

住宅ローンの借り換えと住み替えプランはうまくいく?

 
今回、回答いただく先生は

市田 雅良先生
(いちだ まさよし)
プロフィール
アドバイスのポイント
  • 住宅ローン借り換えプラン
  • 住宅の住み替えの資金調達
  • 保障の内容チェック

鈴木 広宣さん(仮名)のご相談

平成5年に取得した2DKのマンションに住んで住宅ローンを返済していますが、現在の返済金利が4%超と高いので借り換えを検討しています。そこで金利の選択なのですが、固定金利か変動金利かを悩んでいます。あるいは、現在の住居は手狭なので、出来れば住み替えをしたいのですが、新たなローンを組んでも大丈夫でしょうか?また、加入している生命保険の更新時期が夫婦ともに近づいているので、負担が増加することになるのですが、このままでいいのでしょうか。

鈴木さんのプロフィール

46歳、会社員。42歳、派遣社員の妻と長男(8歳)との3人暮らし。
世帯年収:596万円
住居: 平成5年に取得した2DKのマンション居

家族構成

《ご家族》
鈴木 広宣 46歳 会社員 世帯主
鈴木 涼子 42歳 パート勤務 配偶者
鈴木 聡 8歳 小学2年生 長男 世帯主の扶養

家計の状況

《現在の所得と収支状況》

<夫の収入> 
給与収入 514万円
社会保険料・税 100万円
可処分所得 414万円
<妻の収入> 
給与収入 216万円
社会保険料・税 34万円
可処分所得 182万円
可処分所得合計 596万円
<支出の部> 
日常の生活費 147万円
教育費 27万円
住宅費 124万円
生・損保保険料 42万円
貯蓄額 100万円
 
その他費用 20万円
使途不明金 136万円
 (日常の生活費:食費・光熱水道費・通信費交通費・医療費・家事用品・交際費・こづかい等)
支出合計 596万円

住宅ローン

  2007年末残高 返済期間 年間返済額 金利
住宅金融公庫 968万円 21年 70万円 4.40%
住宅金融公庫 752万円 21年 54万円 4.45%
合計 1720万円   124万円  

現状のキャッシュフロー表(新しいウィンドウ)

住宅ローンの借り換えを検討してみよう

鈴木家の住宅ローンの借り換えと返済方法の検討

(1) 住宅ローンの借り換え

住宅ローンを組むためにはいくつかの仕組みがありますので、鈴木さんに適した選び方はどれか、以下のポイントで検討します。

  • 住宅ローンの返済方法の決定
  • 公的ローンなのか民間融資なのか
  • 固定金利か変動金利か

T.住宅ローンの返済方法の決定

住宅ローンの融資可能額は、いくらなら返せるかがポイントになります。その目安は各金融機関によってまちまちですが、一般的には「毎月返済額の5倍以上の月収があること(年収の20%以内の返済)」をローン返済額の目安にしています。つまり融資額もこれに関連してきます。

ある金融機関の融資では

  • 年収250万円未満では毎月返済額4倍以上、つまり年収比率25%以内
  • 年収400万円未満では年収比率30%以内
  • 年収400万円以上は年収比率35%以内

としています。

最近、ネット銀行やノンバンクの金利の低い金融機関が台頭してきています。それらの多くは年収に対する返済額の割合を30%とし、その上で家計が成り立つかどうかを検討し、返済可能と融資可能な家計かどうかというチェックをしているようです。

<年収に対する返済額の割合30%の場合の、夫婦合算返済可能額の考え方>

・返済可能額から、当初融資を割り出す計算
鈴木さんご夫婦のローン条件を15年返済で金利3%として、返済可能額から当初融資がどれだけになるかを計算してみましょう。

上記図の(A)の部分 178万円÷0.08377(資本回収係数)≒ 2124万円 融資可能額現在の融資残高が1720万円、融資可能範囲内なので、借り換えは可能ということになります。

U.借り換えはどの金融機関を選べばいいのか

借り換えはどの金融機関を選べばいいのか、主な金融機関を比較してみました(平成20年2月現在)。色々な条件があり、金利が低ければいいというものではないようです。

<表1>

上記の金融機関の条件を目安に、現在お取引をされている金融機関に見積もりを出してもらい検討することをおすすめします。

V.固定金利か変動金利か

金利の動向はなかなか読めるものではありません。インフレになるといわれて久しいですが、いまだ急激な上昇とはなっていないようです。急激なインフレとなり金利上昇があるというその「潮目の境」をいかにうまく読み取るかで、次の対応に大きな差が出てきます。この状況の変化による違いに気をつけながら、今の状況での有利な方法で検討しましょう。

固定か?変動か?どっち?今は固定よりも変動金利の方が低い状態にあります。もっとも変動金利を取るということは、長期的観点からは期返済期間が長くなればなるほど金利のブレが大きくなり、リスクが増大することになります。しかし古川さんは、ローン返済期間をなるべく15年程度の短期で完了したいとお考えなので、変動と固定は特にこだわらずに選択すればいいのではないでしょうか。ここ10年の間に金利が変わらないとお考えであれば、上記の表の金融機関の比較を目安に、低い金利を選べばいいと思います。

(2) 住み替えが可能となるか資金調達を考えよう。

(1)で住宅ローンの借り換えを検討しましたが、その考え方で、新たに住宅を取得して住み替えることが可能かどうか、検討してみましょう。キャッシュフロー表から自己資金がたまる予想は難しいようです。ということは「今のロ−ン返済が完了しないまま新たにローンを組めば、たちまち家計は資金ショート」ということにもなりかねませんので、安易に住み替えはお勧めできないということになります。

(3) 子どもの教育資金は家計を見直し保険と貯蓄で備えよう。

教育資金の備えには、「こども保険」を利用されています。教育費用の一般的なデータを目安にすれば、このまま4年生の大学まで進学されても特に問題はないように見受けられます。しかし、もっと安定した家計を望まれるのであれば、家計の見直しが必要です。「家計の状況」の表にある、支出の部の「使途不明金136万円」の解明をしましょう。

昨年のデータでは、年間100万円貯蓄ができたとされていますが、不明な支出が年間136万円もあるのは考えものです。そこから貯蓄に回せるお金がさらに100万円程度は出てくるかもしれません。それを踏まえて年間200万円は貯蓄可能となるわけです。つまり「良子さんが勤めて得た収入が貯蓄に回せる」ことと同じ意味となります。そうすれば「働く目的意識」が明確となり、将来のための生き甲斐や生き方につながるのではないでしょうか。

<子どもの教育費用予定表>

保険の見直し

<加入生命保険>

○ 加入生命保険のチェック  表2:現在加入の保険(新しいウィンドウ)

・ 夫: 広宣さんの加入保険について
ご夫婦が共働きであるので、現在の保障額は妥当なところといえます。ただ、平成23年(48歳時)の更新時期が来て保険料の大幅アップに悩まれるのなら、シンプルな保険を検討されるというのはいかがでしょうか。例えば、死亡保障に備えるには「定期保険」のみで検討するのがいいと思います。ある保険会社の例を出せば、46歳時で死亡保障1000万円では月額保険料4,930円となっています。また、病気保障については「医療保険」で対処します。病気・怪我の入院1日1万円で終身払いですが5,910円といった保険会社もあります。「保険はシンプル」をモットーとし、必要なときに見直しできるようにしたいものです。

・ 妻: 涼子さんの加入保険について
やはり共働きなので、保障の額は現在加入されているもので十分といえるでしょう。ただ夫の稔さん同様、平成21年(43歳時)の更新時期に大幅アップとなるので、保険料負担が家計にのしかかってきます。そこで、シンプルな保険を検討してはいかがでしょうか。死亡保障には「定期保険」で備えます。ある保険会社では、42歳時で死亡保障500万円では月額保険料1500円となっています。また、病気保障についても「医療保険」で対処します。病気・怪我の入院1日5000円で60歳払い込みで4,125円となっています。「保険はシンプル」をモットーに、ライフプランにあった保険を選択したいものです。

まとめ

ライフプランは一度作ればいいというものではなく、子供が誕生した、独立したとか、共働きになった、共働きをやめた、リタイアしたなどなど、家庭の環境が変わればその都度ライフプランの見直しが必要となります。自分たちの生き甲斐も含めて将来の生活設計を考えてみましょう。今回は手狭と感じる2DKのマンションから広いマンションの住み替えがご希望でしたが、ローン残高がまだ多いので資金的に無理と判断いたしました。でも、例えば「5年後に家計内容と相談して住み替えを検討してみる」という目的を持つこともいいのではないでしょうか。今回のご相談をきっかけに生活設計の最適化につとめられれば、新しい道を開くことが出来るかもしれません。

 

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