家計診断Q&A

家計診断Q&A
今回のご相談テーマ
 

毎月の収支がギリギリで貯蓄ができません

 
今回、回答いただく先生は

臼井 悦子先生
(うすい えつこ)
プロフィール
アドバイスのポイント
  • 教育資金を子ども名義の口座に積み立てる
  • 掛け捨て型の保険で必要な保障を準備
  • 毎月の支出は予算の範囲内に納め、ボーナスから貯蓄する

岩崎 優子さん(仮名 29歳 専業主婦)のご相談

毎月の収支はギリギリで、赤字になるとボーナスで埋め合わせている状態です。そのため、貯金が増えず、どうしたらいいのか悩んでいます。いずれ、子どもの教育費もかかるようになると思うと心配です。また、こんな状態なので保険にも入っていません。このままではいけないと思いつつ、どうしたらいいのか分かりません。アドバイスをお願いします。

世帯年収 : 450万円
家族構成 : 夫 30歳 会社員、長女4歳、次女1歳 4人暮らし。

●毎月の収支
税引き後収入
250,000円
児童手当 15,000円
合計 265,000円
支出
費目 金額
食費 55,000円
住居費 90,000円
レジャー費 10,000円
交際費 5,000円
水道光熱費 15,000円
通信費・交通費 15,000円
教育費 25,000円
こづかい 35,000円
その他 25,000円
合計 250,000円
貯蓄
金融商品名 金額
普通預金 15,000円
合計 15,000円
●ボーナス(年間)収支
税引き後収入
600,000円
合計 600,000円
支出
費目 金額
帰省費用(年2回) 200,000円
被服費 100,000円
こづかい 80,000円
その他 150,000円
合計 530,000円
貯蓄
金融商品名 金額
普通預金 70,000円
合計 70,000円
●貯蓄・金融資産 残高(円)
金融商品名 金額
普通預金 400,000円
合計 400,000円

毎月とボーナスからの先取り貯蓄、
支出は予算内に納めるようコントロールして

1.児童手当を活用して子どもの教育費を準備する

毎月の収支が厳しく、ボーナスで補填していることもあるという岩崎さん。それでも、年間でみると少しずつ貯蓄をしていて、とても頑張っていらっしゃいます。これからお子様が成長していくと教育費や生活費がかかるようになるため、さらに貯蓄を増やしていきたいところですね。

岩崎家の場合、将来かかるお金でまず準備したいのは、お子様の教育費です。中学・高校進学時、大学入学時など使う時期が決まっている教育費は、足りないからといって先延ばしにすることができません。ですから、お子様が生まれたらすぐに準備を始めたい費用なのです。
高校までは生活費の範囲内から教育費を捻出しながら、大学4年間でかかる費用の半分程度を貯めることを目標にしましょう。進学コースによりかかる費用は大きく違いますが、私立大学・文系コースの入学金・授業料等の平均額は約400万円。貯めるのはその半分、200万円を目安に考えます。下の表からもわかるように、お子様の年齢が低いときに始めるほど、毎回の積立額は抑えられます。ボーナスからも積み立てれば、毎月の負担はさらに小さくなります。

●大学進学(高3)までに200万円貯めるには
  〜積立額の目安〜

  積立プラン
(A)
毎月同額
積み立てる場合
(B)
ボーナスを
併用する場合



誕生直後〜2歳 毎月 1万円 毎月
ボーナス
5,000円
3万円×2回
3歳〜4歳 毎月 1万2,000円 毎月
ボーナス
6,000円
3万5,000円×2回
5歳 毎月 1万3,000円 毎月
ボーナス
7,000円
3万5,000円×2回
6歳 毎月 1万4,000円 毎月
ボーナス
9,000円
3万5,000円×2回
7歳 毎月 1万6,000円 毎月
ボーナス
1万円
3万5,000円×2回

岩崎様の場合、上のお子様は毎月1万2,000円、末のお子様は1万円、合計2万2,000円を目安に積み立てられてはいかがでしょうか。収入等の要件を満たせば、3歳未満は毎月1万円、3歳以降12歳の年度末までは5,000円(第3子以降は1万円)が受け取れる児童手当を全額積み立てにまわし、それでも不足する7,000円は家計から捻出します。お子様が成長し児童手当がなくなっても、この積み立て額を守っていけば、大学進学時の負担は軽くてすみます。

なお、お子様の教育費を貯めるには、元本保証の金融商品で貯める方法と、保障と貯蓄の機能を併せもったこども保険で準備する方法があります。前者では、お子様名義の専用口座をつくるといいでしょう。積立額が分かりやすく、引き出しにくくなります。現在は金利が低いので、当面は1年ものの定期で自動継続扱いにしておき、今後金利が上昇するようなら預け替えを検討します。後者を利用するなら、支払った総保険料に対して満期金や祝い金がいくら受け取れるかを比べ、元本割れしないものを選びたいものです。保険会社により、違いがあるので検討してみてください。

2.万一の時に必要な保障は、保険で準備する

ご夫婦とも保険に入っておられない、ということですが、早急に生命保険に加入されることをお勧めします。いまは健康で毎日過ごせていても、病気やケガで入院するなどで思わぬ出費がかさむことがあります。また万一ご主人がお亡くなりになってしまうと、収入は遺族年金のみになり、家計はとたんに苦しくなってしまいます。こういったリスクに備えるにはまとまったお金が必要ですが、貯蓄で貯めるのは現実的でありません。ですから、下の表のように公的な社会保障を受けながら、不足する分を民間の生命保険等に加入して備えるのが現実的です。

●こんな公的社会保障が利用できます

ケース 制度名 制度の概要
病気が
長引いている
高額療養費制度
家計の負担を軽減するため、医療費の自己負担額のうち一定額を超えた分が払い戻される制度。
傷病手当金
(※)
病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給される。
家計を支えている人が亡くなった 遺族基礎年金 国民年金に加入中の方が亡くなった場合、その妻または子に支給されるもので、教育資金としての意味合いがある。
遺族厚生年金
(※)
厚生年金に加入中の方が亡くなった場合、その方により生計を維持されていた遺族が受け取トれるもの。

※ 自営業への適用はなく、利用できません。
制度の詳しい内容は、社会保険庁のホームページを参照してください
http://www.sia.go.jp/seido/iryo/kyufu/index.htm
http://www.sia.go.jp/seido/nenkin/kyufu/03.html

岩崎様の場合、病気やケガに備えて、ご主人・奥様とも入院したときに1日あたり5,000円の入院給付金が支払われる医療保険と、万一ご主人が亡くなった場合に4,000万〜5,000万円程度が支払われる死亡保障の保険を目安に検討されるといいでしょう。
毎月の家計から保険料を捻出するのは苦しいと感じるかもしれませんが、必要な保障に絞って保険料を抑えることは十分に可能です。保険料の負担が比較的抑えられている掛け捨て型の保険などを選べば、1万円台前半で3つの保障を備えられるでしょう。現在は、多くの保険商品が販売されていますから、保険会社や保険代理店で資料を取り寄せたり、インターネットの比較サイトを利用するなどしてじっくり検討してみましょう。複数の保険会社の資料を一括して取り寄せられるインターネット保険代理店もあります。お子様が小さく時間が取れない岩崎様には便利ですよ。

3.給与、ボーナスから先取り貯蓄をし、確実に貯蓄を増やす

毎月の家計をやりくりして、なんとか赤字にならないように苦慮されている岩崎さんのいちばんの悩みは貯蓄が増えないこと。確実に貯蓄を貯めるには、残った額を貯金するのではなく、毎月決まった額を貯蓄すると決めてしまうことです。お給料をもらったらまず貯金する分を違う口座に移し、残ったお金でやりくりする習慣がつけば、確実に貯金は増えていきます。そのときに大切なのは続けられる貯蓄額にすること。あまり大きな金額にすると最初は頑張っていてもそのうち息切れしてしまいます。コンスタントに貯蓄できる額にして、余裕が出たら増やしていけばいいのです。まずは貯蓄グセをつけることを目標にしましょう。

岩崎様の場合、毎月のお給料からはお子様の教育費を確実に積み立て、ボーナスからは生活予備費を準備することを目標にしましょう。教育費は1.でご説明したとおり、毎月2万2,000円を目安に積み立てます。その分、支出を見直して、なにか減らさなければなりません。頑張って節約しようとしてもなかなか続きませんから、生活スタイルを変えることで自然と減るようなしくみを取り入れてみてはいかがでしょうか。たとえば、携帯電話を安い料金プランに変更する、または手放す、毎月のレジャーは料金が安い公共の施設を使う、などです。ご自分でどの費目を減らすかを考えるのが一番効果がありますが、迷うようなら下の表を参考にしてみてください。

ボーナスからは、まず生活予備費として75万円を貯めることを目標にします。生活予備費というのは、病気になって収入が減ったり、事故にあって一時的に費用が必要になる場合などに備えて生活費の3ヶ月分程度を備えておくものです。社会保障や民間の生命保険でも備えられますが、すぐにお金を受け取れるわけではないので、引き出せるお金として持っておくのが安心です。現在の貯蓄高は40万円なのであと35万円貯めればいいわけです。下の表のように支出を見直して貯蓄に回せば、2年余りで貯めることができます。

●家計を見直して減らす費目(案)

(毎月)
増えるもの 減らす費目(案)
保険料 + 1万5,000円 レジャー費 - 5,000円
水道光熱費 - 3,000円
教育費積み立て + 7,000円 通信費・交通費 - 5,000円
その他 - 1万円
合計 + 2万2,000円 合計 - 2万3,000円
(年間ボーナス)
増えるもの 減らす費目(案)
貯蓄 + 15万円 帰省費用
(年1回にする)
- 10万円
その他 - 5万円
合計 + 15万円 合計 - 15万円

数百万円などのまとまった金額はすぐに貯められるわけではありません。少しずつあきらめずに貯めていけば、それなりに貯まっていくはずです。まずはちょっと頑張れば達成できそうな目標額を立てて、それが達成できたら、改めて家計収支を見直して貯蓄額を上乗せするなどしていけば十分です。いちばん大切なのは、続けることです。それでも、家計が苦しくどうしても貯蓄ができないときは、いつまで、という期限付きで貯蓄はお休みしても構いませんよ。初めの一歩を踏み出すことが大切です。頑張ってくださいね。

 

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