家計診断Q&A

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住宅資金・返済
山下さん顔写真 FP:山下和之

長らくマイホーム関連の不動産会社、金融機関、そして実際にマイホームを買われた一般の方々など、多方面の取材に携わってきた経験を生かして本音でお答えします。効率的なマイホームの頭金づくりから、ローン破綻に陥らないローンの組み方、少しでもトクする返済方法まで何でもご質問ください。

■ご相談者
相談者(仮名)
木下 直人さん
45歳 会社員。奥様(43歳)はパート勤務。18歳の男の子、15歳の女の子の4人家族。3年前に買った分譲マンションに居住。年収/ご本人500 万円、奥さん100 万円
子どもが就職して家計がラクになりました 毎月の返済額を増やして早く返済を終えたいのですが
3年前に分譲マンションを買いました。いまの返済額は毎月11万円ほどです。上の子どもが今年高校を卒業して無事就職しました。マンションを買ったときには、大学か専門学校に行くものと考えていたので、毎月の貯蓄は1、2万円しかできないようになると覚悟していたのですが、9万円ほど貯蓄に回せそうです。でも銀行に預けても利息はほとんどつかないので、そのうちのいくらかをローンの返済に回したいのですが、返済額を増額して、早く返済を終えることはできますか。


・家計状況
 月間支出 計 500,000 円
 ローン返済 約110,000 円  教育費 40,000 円
 管理費・修繕積立金 20,000 円  教養・娯楽費・小遣いなど 80,000 円
 食費・被服費などの生活費 100,000 円  各種保険料 30,000 円
 水道光熱・通信費など 30,000 円  貯蓄 90,000 円
 現在の貯蓄高 計 3,500,000 円
 普通預金 500,000 円  定期預金 3,000,000 円

■アドバイス
返済額を少し増額するだけで大変な節約効果 しかも将来に備えて貯金も増やします

たいへんいいことですね。木下さんの場合、住宅金融公庫と年金融資を利用されていますが、公庫融資に関しては返済額を増額して返済期間を短縮できる制度があります。年金融資の場合には、勤務先を通して借りているのか、各地の協会か、公庫を通しての融資かなどによって条件は違ってきますが、ここでは公庫と同じように増額による期間短縮が可能な場合を想定して試算してみましょう。

上のお子様の就職によって、毎月9万円ほどの貯蓄が可能になったようですから、そのうちの半分ぐらいまではローンの返済に回せそうですね。ただ、失礼ながらご主人のお年は45歳ですから、そろそろ老後への備えに関しても考えておく必要があります。現在の貯蓄が合計350 万円というのは寂しいですから、定年までにこれをできるだけ増やしておくことも大切です。そこで、毎月約1万円増額するパターン、毎月約3万円を増額するパターンで試算してみましょう。

返済額を月1万円増やすだけで返済期間5年短縮と340万円の節約に

まず約1万円の増額ということなら、下にあるように現在のローン返済期間を5年間短縮できます。いまのままでは残り32年ですから、これが27年になるわけです。これだと毎月の返済額は13万円弱です。注目していただきたいのは、毎月の返済額は増えますが、残りの総返済額は逆に減る点です。現在のままだと残り32年間の総返済額は約4656万円ですが、これが約4316万円に減少します。早く返済を終えることで、総返済額では340 万円以上トクできるわけです。

3万円の増額なら、10年の短縮と666万円の節約

次に約3万円の増額であれば、返済期間を10年間短縮できます。現状では残り32年間なのが、22年間になります。ご主人は67歳になっているわけです。これなら60歳定年でも、その後再雇用制度などを利用して一定期間勤務できれば、老後の不安もかなり解消できそうです。しかも、残り22年間での総返済額は約3990万円に減少します。現状のまま返済を続けるのに比べると何と666 万円もトクするのです。約1万円の増額で期間を5年間短縮するのに比べると、トクする金額はほぼ2倍になります。

なお、このように返済期間を短縮した場合、将来いろんな事情で返済が厳しくなったときには、もとの返済期間に戻して、毎月の返済額を減らすことが可能になります。つまり、返済期間の短縮で総返済額を減らせると同時に、将来に対するリスクヘッジの役割も果してくれるという考え方もできます。ぜひ窓口になっている金融機関などで相談してみてください。

木下さんが返済期間を短縮するとこうなる

・マンション購入時の資金計画
 購入価格4000万円 自己資金1000万円

融資の種類 借入額 金利 返済方法 毎月返済額 残りの総返済額
 公庫基本融資 1570万円  2.50% 35年 5万6126円 2444万9484円
 公庫特別加算 1300万円  3.29% 35年 5万2158円 2002万8672円
 年金特別融資 130万円 3.55% 35年 5410円 207万7440円
 合計 3000万円 --- --- 11万3694円 4655万5596円

借入残2843万円を

A.返済期間を5年短縮する
融資の種類 借入額 金利 返済方法 毎月返済額 残りの総返済額
 公庫基本融資 1482万円  2.50% 27年 6万2947円 2255万0508円
 公庫特別加算 1237万円  3.29% 27年 5万7663円 1868万2812円
 年金特別融資 124万円 3.55% 27年 5955円 192万9420円
 合計 2843万円 --- --- 12万6565円 4316万2740円

B.返済期間を10年短縮する
融資の種類 借入額 金利 返済方法 毎月返済額 残りの総返済額
 公庫基本融資 1482万円  2.50% 22年 7万3038円 2071万4292円
 公庫特別加算 1237万円  3.29% 22年 6万5902円 1739万8128円
 年金特別融資 124万円 3.55% 22年 6774円 178万8336円
 合計 2843万円 --- --- 14万5714円 3990万0756円



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