家計診断Q&A

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住宅資金・返済
山下さん顔写真 FP:山下和之

長らくマイホーム関連の不動産会社、金融機関、そして実際にマイホームを買われた一般の方々など、多方面の取材に携わってきた経験を生かして本音でお答えします。効率的なマイホームの頭金づくりから、ローン破綻に陥らないローンの組み方、少しでもトクする返済方法まで何でもご質問ください。

■ご相談者
相談者(仮名)
川添 真知子さん
29歳。契約社員として勤務。夫(27歳)は会社員。子どもなし。
転職で年収がダウン。住宅ローンの返済はどうすればいいでしょう?
一昨年新築一戸建てを購入しました。それまでの貯蓄や親からの援助もあったので、ローンは銀行ローン2000万円のみ。3年固定金利の15年ローンで、毎月返済額は12万円ほどです。ボーナス返済はありません。買ったときには夫婦合わせて800 万円ほどの年収があったので、ローン返済もさほど苦にはならなかったのですが、昨年夫が転職して収入がダウン、夫婦の年収は600万円ほどに減りました。それに私もいまの会社との契約が来年で終わります。その後も別の会社を見つけて働くつもりですが、手取りは少なくなりそうです。このままローンを返済していけるかちょっと不安です。それに、いまのところ予定は決まっていませんが、いずれは子どももほしいと思っています。当面は何とかやりくりして、働けなくなったときに借り換えなどの対策を考えればいいでしょうか。


・家計状況
 月間収入 計 500,000 円
 住宅ローン 約 120,000 円
(ボーナス返済なし)
 小遣いなど 120,000 円
 クレジット返済 20,000 円  レジャー費 50,000 円
 食費・衣服費などの生活費 80,000 円  各保険料種 30,000 円
 水道光熱・通信費など 30,000 円  貯蓄 50,000 円

・現在の貯蓄高 500万円
■アドバイス
4年後に金利が変わる3年固定金利型ローンの落とし穴借り換え・返済期間の延長など、今から対策を

収入が減った時には、借り換えにはなかなか応じてくれません
毎月返済額が12万円強で、年間約149 万円の返済だと、年収が800 万円あったときには年間の返済負担率は2割以下ですから、きわめて健全なレベルということができます。それがご主人の転職による年収ダウンで返済負担率が25%ほどになっています。しかも、来年には奥様の収入も減りそうですから、返済負担率は3割ほどに達しそうな情勢です。万一、奥様の収入が一時的になくなったりすると、ご主人の収入だけではほぼ半分をローン返済に回さなければならないのですから、かなり心配ですね。
と同時に川添さんが利用していらっしゃるのが、3年の固定金利型ローンというのも気掛かりです。来年で3年になりますが、そのときの金利しだいでは返済額が増えてしまう可能性もあります。仮にそのときの金利が3%になっていると、毎月返済額は現在より1万円ほど増えてしまい、いっそう返済が厳しくなります。ですから、いまのうちから何らかの対応策を考えておくのがいいでしょう。

奥様が出産などで収入が無くなった時に、借り換えることができるかというご相談のようですが、正直言ってご主人の年収だけだと銀行の収入基準を満たせないことが考えられます。その時点でご主人の年収が増えていればいいのですが、現状のままだと借り換えに難色を示す銀行が多いと思います。その意味でも、いまから対策をとっておくほうが無難だと思います。

条件変更で返済期間を延長するか、繰り上げ返済で、毎月の返済額を減らしましょう

もっともオーソドックスな対応としては、返済期間を延長する方法が考えられます。新築一戸建てで15年ローンを組まれていますが、新築一戸建てなら本来ほとんどの銀行で30年から35年返済が可能なはずです。現在の収入条件なら、いまの銀行で相談すれば「条件変更」に応じて貰えるはずです。仮に返済期間を20年にすれば、金利が2%になったとしても、毎月返済額を8万円台に減らすことができます。これなら、夫婦合わせての年収が減っても十分に返済していける範囲ではないでしょうか。同じ銀行内なら数千円程度の手数料で可能になるはずです。現在ご利用の銀行が条件変更に難色を示した場合には、他の銀行に借り換える方法もありますが、その場合にはご主人の転職がネックになりそうです。通常、銀行では「勤続3年以上」を条件にしているからです。現在ご利用の銀行で粘り強く交渉してみてください。

いま一つの方法として「返済額圧縮型」の繰り上げ返済を行う方法があります。貯蓄が500 万円あるようですから、安全を期して200 万円だけ繰り上げ返済に回せば、返済期間は現在のままで、毎月返済額を1万円ほど減らせます。さらに思い切って400 万円繰り上げ返済すると、9万円台になります。手元のお金が100 万円に減ってしまうのが少し不安ですが、それでも奥様の収入が途絶える時期さえなければ、また貯蓄を増やしていくこともできるでしょう。将来の教育費などを考えると、できれば返済期間を延ばさない、繰り上げ返済のほうが安心だと思います。

・現在のローン
融資の種類 借入額 金利 返済方法 毎月返済額
 銀行ローン 2,000万円   1.50% 15年ボーナス返済なし 12万4148円

 年収800万円のときの返済負担率 18.6%
 年収600万円のときの返済負担率 24.8%
 年収500万円のときの返済負担率 29.8%
 年収300万円のときの返済負担率 49.7%

・来年金利が上がったときのローン
融資の種類 借入額 金利 返済方法 毎月返済額
 銀行ローン 1635万円  2.00% 12年ボーナス返済なし 12万7805円
 銀行ローン 1635万円  2.50% 12年ボーナス返済なし 13万1540円
 銀行ローン 1635万円 3.00% 12年ボーナス返済なし 13万5343円

・条件変更で返済期間を延長
融資の種類 借入額 金利 返済方法 毎月返済額
 銀行ローン 1635万円  2.00% 20年ボーナス返済なし 8万2711円

・200万円繰り上げ返済
融資の種類 借入額 金利 返済方法 毎月返済額
 銀行ローン 1435万円  2.00% 12年ボーナス返済なし 11万2171円

・400万円繰り上げ返済
融資の種類 借入額 金利 返済方法 毎月返済額
 銀行ローン 1235万円  2.00% 12年ボーナス返済なし 9万6537円




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