家計診断Q&A

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住宅資金・返済
山下さん顔写真 FP:山下和之

長らくマイホーム関連の不動産会社、金融機関、そして実際にマイホームを買われた一般の方々など、多方面の取材に携わってきた経験を生かして本音でお答えします。効率的なマイホームの頭金づくりから、ローン破綻に陥らないローンの組み方、少しでもトクする返済方法まで何でもご質問ください。

■ご相談者
相談者(仮名)
草野 裕之さん
35歳、独身の会社員。現在の年収は約580万円、来春に結婚予定があり、それを機にマイホーム購入を考えている。
転職して2年半で、頭金は少なく、消費者金融の借金もある。こんな私でもマンションを買うことができますか?
転職していまの会社に入って2年半ほどです。前の会社の給料が安かったため、生活費が足りずに消費者金融からお金を借りました。いまはある程度安定した収入になっているので、少しずつ減っていますが、まだ残っています。そんな状態なので頭金はほとんどありません。来年には結婚する予定もあり、中古マンションでもいいのでマイホームを買って、新居で生活を始めたいと思っています。相手はOLで収入もありますが、こんな私でもマンションを買うことができるでしょうか。

 草野さんの相談のポイント
  • 転職して2年半でローンが組めるか
  • 頭金なしでも買うことができるか
  • 消費者金融に借金があっても大丈夫か
■アドバイス
ローン申込みの前に借金をゼロにすれば住宅ローンの審査もクリアできるはずです。

公庫融資で8割借りても頭金が用意できない

まず勤続年数と頭金の問題からみておきましょう。通常、住宅金融公庫などの公的融資では前年と前々年の収入証明が提出できれば借入可能ですが、銀行の場合にはほとんどが「勤続3年以上」となっています。ですから、草野さんのように勤続2年半でも公的融資の条件はクリアできますが、住宅金融公庫などでは購入価格の8割までが融資限度額になります。つまり、2割以上の頭金を用意しなればならないのです。公的融資は勤続年数面での条件はクリアできても、頭金の問題で利用が難しくなるわけです。

しかし、銀行ローンなら頭金ゼロでもOKのところもあります。不動産会社は銀行との提携ローンを持っているところが多いのですが、提携ローンのなかには購入価格を融資限度額とするケースが少なくないのです。そうしたローンなら草野さんのようにほとんど頭金がない人でも購入が可能になります。勤続2年半では「勤続3年以上」の条件にひっかかりますが、これから半年かけて物件を探し、勤続3年に達したところで申し込めば勤続年数の条件もクリアできることになります。

購入価格以外に諸費用も用意

しかし、購入価格の100%の融資を受けることができても、諸費用の負担があります。通常、新築の場合で購入価格の3%ほどの諸費用がかかるといわれます。中古だとその上に仲介手数料がかかるのがふつうで、多少のリフォームが必要になる物件もあります。それらまで含めると購入価格の6〜10%ほどの費用をみておく必要があります。3000万円の物件とすれば、180万円から300万円ということです。これは、草野さんご自身で用意するのが難しい場合には、婚約者に協力してもらうのがいいのではないでしょうか。

融資の審査までに、なんとか借金を完済しましょう

さて、問題は消費者金融からの借入があってもローンを組めるのかどうかという点ですが、何度か延滞していたり、信用情報機関のブラックリストに載っている場合には、銀行の審査をクリアすることは困難になります。ブラックリストに載っていないときでも、審査時の心証面でマイナス要素となるのは間違いありません。前の職場での事情であり、現在は着実に残高が減っていることを説明したとしても、どこまで理解してくれるものか、やや不安が残ります。ですから、これからの物件探しの半年の間に生活を徹底的に切り詰めて、消費者金融からの借入をゼロにするように頑張ってみてはどうでしょうか。年収580万円なら、決してできない相談ではないと思います。

消費者金融からの借入が残ったままだと、銀行の審査をクリアできたとしても、借入可能額は減ってしまいます。たとえば、通常なら年収580万円の人だと、下にあるようにおよそ4700万円まで借り入れることができますが、住宅ローン以外の借り入れがあると、その返済額と合わせて借り入れ限度額が計算されます。仮に、住宅ローン以外の返済が月々5万円あるとすれば、借り入れ限度額は約3300万円になり、10万円だと約1900万円までダウンします。これでは希望の借入額に届かない可能性もあります。婚約者の収入を合算して借り入れ限度額を増やす方法もありますが、その場合には婚約者に連帯債務者になってもらわなければならない、共有名義にする必要があるなどの手続き面での面倒な事情も発生します。

とはいえ、くれぐれも他の消費者金融や闇金融などからの借り入れはしないようにしてください。他の消費者金融から借り入れて、現在借り入れている分を返済しても、信用情報機関に借り入れの記録が残ります。闇金融だと信用情報機関には登録されませんが、その分利息負担が恐ろしく重くなるので、無事住宅ローンを組めても、いずれ返済に行き詰まることは目に見えています。やはり、これから半年間で頑張って消費者金融からの借り入れをゼロにして、何とか銀行ローンの審査をクリアできるようにするのが一番確実な方法といえるでしょう。

借入可能額の計算方法

(1) 借入条件別の100万円当たり返済額
金利 返済期間 毎月返済額
  2.0% 35年 3,312 円
2.5% 35年 3,574 円
3.0% 35年 3,848 円

(2) 銀行の年間返済負担率の限度
   年収580万円なら35%〜40%

(3) 返済負担率の限度を35%とした場合の月間返済額の限度
   580万円×0.35(35%)÷12(カ月)=16万9166円

(4) 借入限度額の計算((1)より年利2.5%、35年返済の場合をあてはめる)
   16万9166円÷3574円×100万円=約4700万円

ただし、他の返済がある場合には合算する

(5) 借入限度額の計算(消費者金融に毎月5万円、10万円の返済がある場合)
   (16万9166円− 5万円)÷3574×100万円=約3300万円
   (16万9166円−10万円)÷3574×100万円=約1900万円




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