家計診断Q&A

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住宅資金・返済
山下さん顔写真 FP:山下和之

長らくマイホーム関連の不動産会社、金融機関、そして実際にマイホームを買われた一般の方々など、多方面の取材に携わってきた経験を生かして本音でお答えします。効率的なマイホームの頭金づくりから、ローン破綻に陥らないローンの組み方、少しでもトクする返済方法まで何でもご質問ください。

■ご相談者
相談者(仮名)
飯塚 夏乃さん
31歳、専業主婦。34歳のご主人(会社員)と3歳の長女との3人家族。2年後くらいにはもう一人ほしいと考えている。年収は約500万円。
1年前にマイホームを買ったけれど返済に比較的余裕があります。繰り上げ返済、増額による期間短縮のどちらがいいでしょうか?
昨年、年利1.575%、35年返済で2440万円借り入れて中古住宅を買いました。毎月の返済額はボーナス返済なしで約7万6000円。夫の年収は約500万円ですから、返済負担率は20%を切っています。ふつうは25%まで大丈夫ということのようですから、もう少し増額したほうがいいでしょうか。あるいは無理をせずに貯蓄に回しながら、ある程度たまったところで繰り上げ返済するほうがいいのでしょうか。

 飯塚さんの相談のポイント
  • 返済負担率は20%以下だが、余裕のある分は貯蓄でいいか
  • 余裕のある分を増額したほうがいいのか
  • 貯蓄は繰り上げ返済したほうがいいのか
■アドバイス
どちらもトクする点は変わりませんが増額で期間を短縮するほうが効果的です

お金を銀行に預けていても、利息がほとんどつかない現状では、繰り上げ返済や増額による期間短縮などで、住宅ローンを早めに減らしておこうと考えられるのは、たいへんいいことだと思います。その方法として、繰り上げ返済するのがいいのか、毎月返済額を増額して期間を短縮するほうがいいのかということですが、さまざまな点から、増額して期間を短縮するほうがいいように思います。

まず、繰り上げ返済に関してですが、現在貯蓄が440万円ほどあるということですから、そのうち200万円を期間短縮型で繰り上げ返済すると、44回の短縮で、本来支払わなければならない利息を132万円もカットできます。金利が高い時期だと200万円の繰り上げ返済なら、200万円、300万円とトクすることもあるのですが、年利1.575%と金利が低い分だけ、効果も小さくなります。それでもトクすることは間違いありません。

問題は現在の貯蓄440万円を取り崩すことがどうかという点です。失業やリストラによる収入減少などの不安の強い現状では、万一収入が途絶えたときにも1年程度は生活できるだけの蓄えは残しておきたいものです。その点からすると、貯蓄を取り崩すよりは、増額によって返済期間を短縮するほうが安心という気がします。それにいずれは二人目のお子さまを考えてらっしゃるのであれば、手元にある程度のお金を残しておいたほうが安心できるでしょう。

そこで、残り返済期間を10年間短縮するケースを試算すると、毎月の返済額は10万円弱に増加します。それでも、返済負担率は約24%ですから、現在の生活にはさほど影響のない範囲でしょう。その結果、残りの24年間の総返済額は約2868万円になります。200万円を繰り上げ返済した場合の残りの総返済額は約2752万円で、それに繰り上げする200万円を加えると約2952万円になります。トクする金額の面からみても、増額による期間短縮のほうが有利になります。

もちろん、繰り上げ返済と合わせて増額による期間短縮を同時に実行する方法もあります。そうすれば、さらにトクする金額は増えるわけですが、あまり無理するのはどうでしょうか。まずは増額による期間短縮で返済額の増額が生活にどう影響するかを見極めて、それでも大丈夫というメドがたったところで繰り上げ返済する、さらに増額で期間短縮するといった手を考えていけばいいのではないでしょうか。

返済額増額のシミュレーション

(1) 現在の返済状況
 借入額 2,440万 円
 金利 1.575 %
 期間・方法 35年返済・元利均等
ボーナス返済なし
 毎月返済額 75,608 円
 1年後の残高 2,387万 3,204 円

(2) 期間短縮で約200万円の繰り上げ返済
 期間短縮効果 44回(約3年半)
 トクする利息 約132万 円
 残りの総返済額 約 2,752万 円
 繰り上げ返済との合計 約 2,952万 円

(3) 返済期間を10年間短縮して毎月約10万円に増額
 毎月返済額 99,598 円
 残りの総返済額 約 2,868万 円




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