家計診断Q&A

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住宅資金・返済
山下さん顔写真 FP:山下和之

長らくマイホーム関連の不動産会社、金融機関、そして実際にマイホームを買われた一般の方々など、多方面の取材に携わってきた経験を生かして本音でお答えします。効率的なマイホームの頭金づくりから、ローン破綻に陥らないローンの組み方、少しでもトクする返済方法まで何でもご質問ください。

■ご相談者
相談者(仮名)
城崎 かおりさん
30歳、派遣社員として働く主婦。ご主人は会社員。当面DINKSを続け、子どもができる前にマイホームを買おうと考えている。
共働きのうちに一戸建ての購入を考えています ローンや税金についてトクする方法を教えてください
頭金が700万円ほどたまりました。少なくともあと3年は共働きで頑張ろうと思いますが、その間に念願のマイホームを買っておきたいと思います。夫婦別々にローンを組めば、ローン控除を2人で利用できると聞きました。夫の年収は500万円、私は250万円ほどですが、どれくらいトクできますか。また、私は派遣社員で8年ほど働いていますが、ローンを組めますか。そのほかにトクできる方法や注意すべき点があれば教えてください。

 城崎さんの相談のポイント
  • ローン控除を夫婦で利用すればどれくらいトクできるか
  • 妻は派遣社員だけど住宅ローンを組めるか
  • 夫婦でローンを組むときに注意しておくべき点は?
■アドバイス
ローン控除は10年間で60万円以上多くなります。でも将来設計を十分に考えた返済計画を考えてください。

連帯債務者になる方法も考えられます

派遣社員であっても、年収が250万円で、勤続8年なら十分に住宅ローンを利用することができるはずです。ご主人が住宅金融公庫などで長期固定型のローンを組んで、奥様が銀行ローンの低利のローンを組むなどの方法で、できるだけ負担を軽くしながらローンを組みあわせるのがいいでしょう。銀行などの民間ローンでは通常「勤続3年以上で安定収入のある人」というのが条件ですから、勤続8年の城崎さんなら問題はないと思います。が、抵当権順位が2位以下になることに難色を示す銀行があるかもしれません。その場合には、ご主人の名義で借りて、奥さんが連帯債務者になる方法もあります。連帯保証人と違って、連帯債務者は主たる債務者と同じ責任を負うことになりますが、この場合ならローン控除を夫婦で利用することができます。

ローン控除は年間8万円以上増える

夫婦別々にローンを組んだり、連帯債務者になったときには夫婦それぞれにローン控除の適用を受けることができます。ご主人一人で3000万円のローンを組んだときのローン控除は、下にあるように毎年19.4万円で、10年間変わりません。10年間で194万円ということです。ローン控除の控除額の計算は、年末ローン残高の1%ですが、その金額と年間の所得税額のどちらか少ないほうの金額になります。仮に年収500万円のご主人の所得税額が19.4万円とすれば、ローン残高が3000万円近くあっても、19.4万円で打ち切りになるわけです。これに対して、ご主人2000万円、奥様1000万円のローンだと、1年目はご主人19.4万円、奥様8万円の夫婦合計27.4万円になり、10年間の合計では260.2万円になります。10年間で66.2万円も増えるわけです。どのような保険に入っているかなどによって税額には若干の違いがあると思いますが、おおむね60万円以上の差は出るでしょう。

奥様はできるだけ期間を短くする

ただ、注意しておいていただきたいのは、共働きの場合にはどちらかが病気になったり、リストラにあって収入がダウンしたり、無くなったりするリスクが専業主婦世帯の2倍あるということです。それに、いずれは出産、子育てをお考えになっているのであれば、奥様のローンはできるだけ短い返済期間で組むようにしたいものです。ご主人が住宅金融公庫などの長期固定型のローンを組んで、奥様は民間ローンの多少リスクはあっても金利の低いローンを利用する方法がいいと思います。たとえば、都市銀行のキャンペーン金利を利用して、1000万円を年利1%、10年返済で利用すると毎月8万7604円になります。35年返済なら2万8228円ですみますが、奥様の収入は基本的にローンの返済に充てるぐらいの心積もりをもっていただきたいと思います。

できるだけ早く返済して子育てに専念

固定期間3年でその後は金利や返済額がアップする可能性が高いのですが、その時点での残りの返済期間は7年で、残高は710万円ほどに減っています。あまりに金利が高くなっているようなら、より金利の低い変動金利型などに借り換える、あるいは一部繰上返済するなどして増額幅を減らすことができると思います。しかも、10年返済なら、当面3年ほどは共働きして、その後出産、子育てに入って、子どもたちの食費・教育費などが高くなるころには、その返済が終了して、残るのはご主人のローンだけになります。ある程度ゆとりをもって子育てに励めるのではないでしょうか。ただ、この場合には、奥様のローン残高が加速度的に減少していくため、ローン控除も下にある以上のピッチで減っていきます。それに、そもそも奥様が仕事をやめた段階でローン控除を受けることはできなくなります。場合によっては、ご主人一人のローンにしておいたほうがよかったということになりかねません。くれぐれも将来の生活設計とあわせて検討するようにしてください。

ローン控除を別々に受けるとどれだけトクするか

共通条件:
夫の年収500万円、所得税額19.4万円
妻の年収250万円、所得税額8.0万円
ともに10年間変わらないものとする

  • 夫一人で3000万円のローン(年利2.5%、35年元利均等、ボーナス返済なし、年央に借り入れ)
     1年目  19.4万円 
     2年目  19.4万円
    ………  ………
    10年目  19.4万円
    合計  194万円


  • 夫2000万円(年利2.5%、35年元利均等、ボーナス返済なし、年央に借り入れ)
    妻1000万円(年利2.5%、35年元利均等、ボーナス返済なし、年央に借り入れ)
     
    1年目  19.4万円 8.0万円
    2年目  19.4万円 8.0万円
    3年目  19.1万円 8.0万円
    4年目  18.7万円 8.0万円
    5年目  18.3万円 8.0万円
    6年目  17.9万円 8.0万円
    7年目  17.5万円 8.0万円
    8年目  17.1万円 8.0万円
    9年目  16.6万円 8.0万円
    10年目  16.2万円 8.0万円
    合計  180.2万円 80.0万円

    総合計 260.2万円


  • 夫2000万円(年利2.5%、35年元利均等、ボーナス返済なし、年央に借り入れ)
    妻1000万円(年利2.5%、10年元利均等、ボーナス返済なし、年央に借り入れ)
     
    1年目  19.4万円 8.0万円
    2年目  19.4万円 8.0万円
    3年目  19.1万円 7.7万円
    4年目  18.7万円 6.8万円
    5年目  18.3万円 5.8万円
    6年目  17.9万円 4.8万円
    7年目  17.5万円 3.8万円
    8年目  17.1万円 2.7万円
    9年目  16.6万円 1.7万円
    10年目  16.2万円 0.6万円
    合計  180.2万円 49.9万円

    総合計 230.1万円



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