家計診断Q&A

家計診断Q&A

住宅資金・返済
山下さん顔写真 FP:山下和之

長らくマイホーム関連の不動産会社、金融機関、そして実際にマイホームを買われた一般の方々など、多方面の取材に携わってきた経験を生かして本音でお答えします。効率的なマイホームの頭金づくりから、ローン破綻に陥らないローンの組み方、少しでもトクする返済方法まで何でもご質問ください。

■ご相談者
相談者(仮名)
水元 泰和さん
39歳、年収730万円の会社員。奥さんは専業主婦で、小学生2人のパパ。来春に新築一戸建ての購入を予定している。
保証料の一括払いと毎月払い、どちらがトク?いまの時期、金利タイプはどれを選ぶのがいい?
貯蓄は300万円ほどしかないが、100%ローンを組める都市銀行のローンを利用して3260万円の新築一戸建てを買う計画。でも、100%ローンでもほんとうに大丈夫かとやや不安を感じています。またローン選びに当たっても、保証料を一括して支払うかどうかで金利優遇幅が違ってくるので、どちらがいいのか迷っています。さらに、金利が上昇し始めているので、変動金利など金利上昇の可能性の高いものは心配。いったいどうすればいいのでしょうか。

 水元さんの相談のポイント
  • 100%ローンでも大丈夫か
  • 保証料は一括払いか、毎月払いか
  • 金利タイプはどれを選ぶのがいいのか
■アドバイス
総支払額では一括払いが断然有利 金利タイプはできるだけ固定期間の長いものを

年収からみれば100%ローンでも問題はないが?

まず、全額ローンで購入されるということですが、年収730万円の水本さんなら、返済負担率からみれば、まず問題はないと思います。公庫融資を利用できない敷地面積100m2未満の一戸建てということですから、銀行ローンを利用することになります。金利0.70%優遇のローンとすると、変動金利型は毎月10万2634円の返済額年収に占める年間返済額の割合は16.9%です。比較的金利の高い固定金利選択型10年ものでも、この返済負担率は20.9%に止まります。一般的に、返済負担率は25%までに抑えるのが安心といわれますから、この数字でみる限りは全然問題のない計画ということはできます。

貯蓄が少ないのは家計のやりくりに問題があるのでは?

ただ、気になるのは年収730万円であるにもかかわらず、現在の貯蓄が300万円ほどしかないという点です。たまたま何らかの事情でここ数年貯蓄ができなかった、本来ならもっとできるはず――というのであればいいのですが、ひょっとして家計がほとんど貯蓄できない体質になっているのではないかと気になります。いくら返済負担率が20%程度以下に収まるといっても、すべての人がそれでOKというわけではありません。念のために、最近の家計をチェックしてみて、ほんとうに年間123万円から153万円を支出できる体制にあるかどうかを確認しておく必要があります。もちろん、実際にはその他に固定資産税などの負担も出てきますから、その点も忘れないようにしてください。

保証料は可能なら一括払いが得策

次に保証料に関してですが、もともと民間ローンの保証料は借入時に一括払いが原則でしたが、最近は保証料を一括払いするか、毎月払いにして金利を0.20%上乗せするか、いずれかを選択できるように変わってきました。水元さんが利用を考えている銀行では、金利優遇が実施されていますが、保証料を一括払いするときには優遇幅が0.70%で、毎月払いにする場合には0.50%になっているそうです。つまり、最初に保証料を一括払いすれば、金利が0.20%低くなるわけです。どちらがトクかは、いうまでもありません。下にあるように、店頭表示金利2.90%の固定金利選択型5年もので比較すると、一括払いだと完済までの総支払額は約4744万円ですが、毎月払いにすると約4822万円になります。一括払いのほうが78万円もトクするのです。

購入時の諸経費を考えると一括払いは難しいかも

ただ、問題は貯蓄が300万円しかなく、それは各種の諸経費などに充てざるを得ないという点でしょう。実際問題、3260万円の新築一戸建てを買うとすれば、諸経費のほか、引っ越し費用や最低限の耐久消費財購入まで考慮すると、300万円でも厳しいような気がします。保証料一括払いに必要な約67万円は捻出できないかもしれません。その場合には、少し負担増になっても、保証料の毎月払いもやむなしということでしょうか。

家計の節約を徹底してできるだけ長期固定型で

金利タイプの選択に関してですが、金利は今年の夏以降上昇傾向にあります。10月には一時的に若干低下したものの、年末に向けてまた上昇傾向が強まっています。景気回復の歩みがさほど明確なものでなく、まだまだヨタヨタしている状態ですから、一気に金利が上昇していくとは考えにくいのですが、長い目でみれば、何度かの低下局面を挟みながら、ジワジワと上がっていくことは間違いないと思います。来年には、公庫融資の金利も3%台になるのではないかという見方をする専門家も少なくありません。それだけに、これからローンを組むであれば、やはりできるだけ固定期間の長いもののなから、一番金利の低いローンを見つけて利用するのが安心だと思います。返済に問題がないのであれば、固定金利選択型10年もので、0.7%の優遇を受けられれば3.10%になります。この金利水準なら10年という長いスパンで捉えた場合、決して高い金利ではないと思います。もちろん、優遇後の金利が1%台になる金利タイプのほうが、毎月返済額は格段に少なくてすみますが、将来の安心を考えると、多少返済額が増えても、家計の節約の徹底を計って、固定期間の長いローンを利用したほうがいいように思います

金利タイプと返済負担率

共通条件:
借入額3260万円
元利均等35年返済、ボーナス返済なし
  • 1.675%の変動金利型(2.375%から0.7%優遇)
    毎月返済額  10万2634円 
    返済負担率  16.9%(10万2634円×12カ月÷730万円)

  • 2.20%の固定金利選択型5年もの(2.90%から0.7%優遇)
    毎月返済額  11万1367円
    返済負担率  18.3%(11万1367円×12カ月×730万円)

  • 3.10%の固定金利選択型10年もの(3.80%から0.7%優遇)
    毎月返済額  12万7287円
    返済負担率  20.9%(12万7282円×12カ月÷730万円)
保証料と優遇金利との関係を検証する

共通条件:
借入額3260万円
金利2.90%、元利均等35年返済、ボーナス返済なし
完済まで金利変動はないものとする
  • 保証料一括払いで金利0.7%優遇(実質2.20%)
    毎月返済額  11万1367円
    総返済額  約4677万円
    保証料  約67万円
    合計  約4744万円

  • 保証料毎月払いで金利0.50%優遇(実質2.40%)
    毎月返済額  11万4803円
    総返済額  約4822万円
    保証料  ――
    合計  約4822万円



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