家計診断Q&A

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住宅資金・返済
山下さん顔写真 FP:山下和之

長らくマイホーム関連の不動産会社、金融機関、そして実際にマイホームを買われた一般の方々など、多方面の取材に携わってきた経験を生かして本音でお答えします。効率的なマイホームの頭金づくりから、ローン破綻に陥らないローンの組み方、少しでもトクする返済方法まで何でもご質問ください。

■ご相談者
相談者(仮名)
池田 里佳さん
36歳。ご主人は会社員(37歳、年収890万円)でご本人は専業主婦。
6歳の長女、4歳の長男の4人家族。
会社が不景気で毎月の返済が苦しくなってきました。残り返済期間が短くても繰り上げ返済で返済額を減らせますか?
3年前に4370万円の新築一戸建てを、2500万円の頭金、1870万円のローンで買いました。頭金が多かったのと、子どもたちの教育費が大きくなる時期にはローンを終えたいと考えて、10年返済でローンを組みました。毎月約12万円、ボーナス時約30万円(ボーナス月は約42万円)の返済です。しかし、予想していたより毎月のやりくりがたいへんで、しかも、会社の景気が悪くなっているので、収入ダウンの可能性も出てきました。繰り上げ返済で毎月の返済額を少し減らせないかと考えています。

 池田さんの相談のポイント
  • 月々のやり繰りが苦しいので返済額を減らしたい
  • 残りの返済期間は7年を切っているが効果はあるか
  • 手元の貯蓄額が減っても大丈夫だろうか
■アドバイス
返済額圧縮型の繰り上げ返済を利用すれば150万円で毎月2万円ほど減らすことができます

残りの期間が短くなっても繰り上げ返済の効果はある

住宅ローンの繰り上げ返済は、残りの返済期間が長いほど効果が大きいのですが、残りの返済期間が短くなったからといってまったく効果がないわけではありません。あとわずかだからと、気を抜かずに繰り上げ返済を行って、少しでもトクする、ラクになることを心がけるようにしたいものです。池田さんの場合、2000年12月に10年返済のローンを組まれていますから、今年の4月に繰り上げ返済を実行するとなると、残りの返済期間は80カ月で、7年を切っていますが、さて、どれくらいの効果があるのでしょうか。

「期間短縮型」なら約19万円のトクになる

繰り上げ期間短縮型返済額圧縮型」があります。期間短縮型というのは、現在の返済額を変えずに残りの返済期間を短縮する方法です。池田さんの場合には、返済額を減らしたいという希望ですから、こちらは向きません。返済額圧縮型での繰り上げ返済ということになります。

期間短縮型のほうが利息をカットできる金額が多くなります。池田さんは繰り上げ返済額を約150万円と考えていらっしゃるそうですから、今年の4月期間短縮型で実行すると、返済期間を10回短縮でき、その間に支払うべき利息約19万円をカットすることができます。

金融商品の利回りとローン控除に注意

注意しておき住宅ローン控除を利用されている場合には、その適用対象外になってしまうという点です。ローン控除の対象になるのは返済期間10年以上のローンでありすでに返済が済んでいる期間と残りの期間を通算した期間が10年を切った場合には、対象外になってしまうのです。

また、当面の返済額を減らしたいということではなく、単にトクしたいということなら、金融商品との比較も必要になります。残り返済期間が長い場合にはトクできる金額も100万円、200万円と大きくなりますが、期間が短いとこのケースのように約19万円にとどまります。利回りの高い金融商品で150万円を運用すれば、7年弱で19万円増やすことができるかもしれません。そのほうが、貯蓄が減らない安心感もあります。特に、今後金利が上がっていった場合には、注意しておきたい点です。

「返済額圧縮型」でも約16万円のトクになる

では、返済額圧縮型だとどうでしょうか。やはり約150万円を繰り上げ返済すると、毎月返済額を約10万円に、ボーナス時の返済額を約30万円(ボーナス月は約40万円)にすることができます。ボーナス返済額は変わりませんが、毎月の返済額を2万円ほど減らすことができます。

しかも、残りの総返済額を約16万円減らすことができます。期間短縮型に比べると、若干トクする金額が減りますが、それでも毎月の返済額を減らした上で、これだけトクできるのですから、メリットは小さくありません。もちろん、残りの返済期間は変わりませんから、通算の返済期間は10年のままで、ローン控除の適用を受けているときにも、従来通り継続されます(ただしローン残高が減る分だけ、控除額は減少します)。

手元に残す貯蓄にも一定の配慮が必要

気になるのは、現在の貯蓄残高が250万円で、そのうちの150万円を繰り上げ返済に回したいとされている点です。年収890万円で、年間の貯蓄額が60万円ほどということのようですが、一時的にしろ、手元に残る貯蓄が100万円に減ってしまうのには、ちょっと不安を感じてしまいます。しかも、会社の景気が悪くなっているということを考え合わせると、不安が大きくなりますから、家計をシッカリと引き締めて管理してください。

ただ、お子さまがまだ小さく、高校・大学と高額の教育費が必要になるまでには多少時間があります。それまでにローンの返済を終えるように10年ローンにされているようですから、その点は心配ないのでしょうね。

!池田さんの住宅ローンの現状

購入価格4370万円
自己資金2500万円
住宅ローン1870万円

現在の返済額
融資の種類 借入額 金利 返済期間 毎月返済額 ボーナス返済額
 財形融資 1870万円 1.9% 10年 12万0867円 30万2168円

(1) 期間短縮型で150万円の繰り上げ返済 (2) 返済額圧縮型で150万円の繰り上げ返済

2004年4月現在の残り返済回数 80回
繰り上げ返済による短縮回数 10回
繰り上げ返済後の残り返済回数 70回

  毎月 ボーナス時
現在の返済額 120,67、?円 302,168円
繰り上げ後の返済額 100,190円 300,572円

トクする利息
192,769円

トクする利息
150,286円





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