家計診断Q&A

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住宅資金・返済
山下さん顔写真 FP:山下和之

長らくマイホーム関連の不動産会社、金融機関、そして実際にマイホームを買われた一般の方々など、多方面の取材に携わってきた経験を生かして本音でお答えします。効率的なマイホームの頭金づくりから、ローン破綻に陥らないローンの組み方、少しでもトクする返済方法まで何でもご質問ください。

■ご相談者
相談者(仮名)
三好 公太さん
36歳会社員。奥様(26歳)はパート勤務で世帯年収は合計360万円。
2年前に組んだ住宅ローンは変動金利型で年利1.675%、固定金利型に借り換えたほうがいいでしょうか?
現在利用している住宅ローンは変動金利型で金利は1.675%です。5年間だけの0.7%の優遇金利なので、3年後にはいまの金利が変わらない場合でも2.375%に上がってしまいます。もし金利が上がってしまうと、それ以上になってしまいます。いまのところ金利は落ち着いているようですが、長期的には金利上昇の可能性が高いと聞いています。固定期間の長いローンに借り換えたほうがいいでしょうか。また、転職したばかりで、勤続年数が短いため、借り換えできるかどうかも気になっています。

 三好さんの相談のポイント
  • 住宅ローン金利はほんとうにこの先アップするのか
  • アップするとすれば固定期間の長いローンに借り換えたほうがいいのか
  • 転職したばかりでも借り換えは可能か
■アドバイス
中長期的にみれば金利は若干高くなっていくはずです。安全を考えて固定期間の長いローンに借り換えるのが安心です。

3年後もいまの低金利が続くとは考えにくい

住宅ローン金利は、ご承知のように今年の6月に長期金利がアップしたのを受けて、一斉に引き上げられました。住宅金融公庫の基準金利は7年ぶりに3%に達し、銀行ローンの固定金利選択型10年ものは、4%を超える水準に上がりました。しかし、その後長期金利は低下し、現在では公庫の金利も2%台に、10年ものも3%台に戻っています。問題は、この先どうなるのかという点ですが、各種の指標をみると、いまのところ急速に上がりそうな情勢ではないようですが、2年、3年といった中期、さらに5年、10年といった長期で考えた場合には、恐らく金利アップは避けられないだろうという点で専門家の見方はほぼ一致しています。私自身も、三好さんの金利優遇期間が終わる3年後には、現在の水準よりは多少なりとも上がっているのではないかと思います。

いまのままでも返済額は数千円上がってしまう

そこで、3年後の金利がどうなっているか別の試算をしてみましょう。詳しくは下にある通りですが、(1)は現在と金利水準が変わらないケースです。三好さんの場合は、優遇金利期間が終わるので、実質的には金利は2.375%に上がり、毎月返済額は現在の6万8015円から7万2372円に増えます。これが、金利3%になっていると7万7205円に、金利4%だと8万5018円になります。金利が下がっている可能性もまったく考えられないわけではありませんが、仮にそんな事態になっているとすれば、日本の景気が再び悪化している可能性が高く、あまり考えたくない事態ですし、まずないといっていいでしょう。

借り換えるなら10年以上の固定金利型へ

そこで、金利の低いいまのうちに借り換えるとどうかという点ですが、その場合大前提として考慮しておいていただきたいのが、わざわざ超低金利ローンから借り換えるのですから、借り換え先は固定期間が10年以上で、現在との金利差ができるだけ少ないものを選んでいただきたいという点です。具体的には、東京三菱銀行が実施している固定金利選択型10年もののキャンペーン金利2.20%、JAバンクの当初10年間2.80%のローンなどが有力な借り換え先ということができます。

利用できるかどうかを銀行に確認してみる

東京三菱銀行の場合には、「勤続年数3年以上」などの条件がついています。三好さんはまだ転職して2年ですから、この条件からみると現段階では難しいかもしれません。3年が経過するのを待ってということになりそうですが、最近は金融機関も弾力的に応じてくれるケースがあるので、一度銀行で確認してみてはどうでしょうか。いずれにしても、いま借り換えが可能として試算すると、返済額は2.20%の場合で毎月7万1524円に、2.80%の場合で7万6689円になります。現在より返済額は若干増えるわけですが、それで今後10年間金利上昇へのリスクがなくなるという安心感を得られると思えば、それなりに納得できる数字ではないでしょうか。

金利が4%以上になるとみるなら絶対借り換え!

問題は、三好さんもご指摘のように借り換えにかかる諸費用です。主なものは保証料ですが、1700万円ほどの借り換えだと、もろもろ合わせると40万円ほどとみておいていいのではないでしょうか。この40万円を加えて、借り換えした場合としない場合の今後10年間の総返済額をみると、借り換えしないで現在の金利水準が続いた場合が一番総返済額が少なくなります。次いで3年後からの金利が3%で推移した場合は、いま10年固定の2.20%に借り換えた場合とほぼ同じです。そして、3年後からの金利が4%で推移した場合と、いま2.80%のローンに借り換えたケースとがほぼ同じ金額になります。つまり、いまの金利水準とほぼ同じ水準で推移する、もしくは上がってもコンマ数%程度にとどまるとみる場合にはいまのままでいいといえるでしょう。しかし、1%以上上がるとみるのであれば、2.20%の10年ものに借り換えるのが得策です。10年固定なら向こう10年間は金利動向を気にしなくてもすむという精神的な安心感も重要な要素になるかもしれません。反対に、固定金利選択型は繰り上げ返済手数料が若干高くなるデメリットもあります。そうした点も十分に考慮しながら、総合的に判断するようにしてください。



!三好さんのマイホーム購入の概要
購入時期 2002年8月
物件概要 土地面積約100m2、4LDKの新築一戸建て
購入価格 2300万円
資金計画 自己資金300万円・銀行ローン2000万円
金利1.675%(2.375%から0.7%優遇)、30年の元利均等返済、ボーナス返済なし
毎月返済額 6万8015円
昨年繰り上げ返済を行って、現在のローン残高約1698万2941円、残り返済期間26年
現在の売却可能価格2000万円

!現在のままで返済を続けたときの試算

2007年からの返済額
金利の変化 2007年からの返済額(月額)
(1) 現在と変わらない場合(2.375%) 7万2372円
(2) 3%になっていた場合 7万7205円
(3) 4%になっていた場合 8万5315円
(25%ルールにより8万5018円)

!固定期間10年のローンに借り換えた場合



金利・返済年数 返済額(月額)
(4) 金利2.20%、26年返済 7万1524円
(5) 金利2.80%、26年返済 7万6689円

!今後10年間の総返済額の比較



借り換え
しなかった
場合
(1) 2007年まで1.675%、
その後7年間2.375%だった場合
6万8015円×12カ月×3年+7万2372円×12カ月×7年
=852万7788円
(2) 2007年まで1.675%、
その後7年間3%だった場合
6万8015円×12カ月×3年+7万7205円×12カ月×7年
=893万3760円
(3) 2007年まで1.675%、
その後7年間4%だった場合
6万8015円×12カ月×3年+8万5018円×12カ月×7年
=959万0052円
借り換えた
場合
(4) いま2.20%に借り換え場合
7万1524円×12カ月×10年
=858万2880円
(5) いま2.80%に借り換えた場合
7万6689円×12カ月×10年
=920万2680円

!借り換え費用を考慮した総負担はどうか



借り換え先が他の銀行であった場合借り換え費用約40万円
今後10年間の総支払額の比較
(1) 2007年まで1.675%、
その後7年間2.375%だった場合
約853万円
(2) 2007年まで1.675%、
その後7年間3%だった場合
約893万円
(3) 2007年まで1.675%、
その後7年間4%だった場合
約959万円
(4) いま2.20%に借り換え場合
約898万円
(5) いま2.80%に借り換えた場合
約960万円



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