家計診断Q&A

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住宅資金・返済
山下さん顔写真 FP:山下和之

長らくマイホーム関連の不動産会社、金融機関、そして実際にマイホームを買われた一般の方々など、多方面の取材に携わってきた経験を生かして本音でお答えします。効率的なマイホームの頭金づくりから、ローン破綻に陥らないローンの組み方、少しでもトクする返済方法まで何でもご質問ください。

■ご相談者
相談者(仮名)
東田 光雄さん
39歳公務員。9歳と8歳のお子様。ご両親と同居。年収は620万円。
6年半前に公庫融資を利用して家を建てました。手元に200万円ほど余裕があるのでトクする方法を教えてください。
平成9年秋に返済期間25年、金利3.30%で1480万円、3.60%で420万円の公庫融資を利用して家を建てました。手元に200万円ほど余裕ができたので、何かトクする方法はないかと悩んでいます。繰上げ返済するのがいいでしょうか。その場合、200万円一度のほうがいいのでしょうか、分けたほうがいいのでしょうか。あるいは、金利が低下しているいま、多少の手数料を支払って、借り換えたほうがいいのでしょうか。

 東田さんの相談のポイント
  • 余裕資金は繰上げ返済するのがいいのか
  • 繰上げ返済するなら一括か分けるか
  • 金利低下メリットを活かして借り換えたほうがいいか
■アドバイス
繰上げ返済で元金を減らして、低金利ローンに借り換えるのが得策

東田さんの場合、貯蓄が500万円を超えたので、そのうち200万円ほどを繰上げ返済などに回して、少しでもトクできる方法はないかと考えていらっしゃるようです。そこで、まずは借り換えを考えてみましょう。借り換えの鉄則は何といっても、「できるだけ早く実行する」ということにつきます。1年遅くなると、それだけでトクできる金額が10万円、20万円と少なくなってしまいます。ですから、200万円の余裕があるのなら、2回に分けて小出しにする意味はありません。生活に無理がない範囲であれば、一度に繰上げ返済してしまうのが得策であるのはいうまでもありません。

残高が多く、金利の高いものから実行

「できるだけ早く実行する」のが大前提ですが、その上でどのように繰上げ返済するのがいいのかというと、次の3点を挙げることができます。
  1. 金利の高いものから実行する
  2. 借入残高の多いものから実行する
  3. 残存期間の長いものなら実行する

たとえば、残高・残存期間が同じものなら、金利の高いものから、金利・残高が同じなら、期間の長いものから、金利・期間が同じなら、残高の多いものから――ということです。3つとも条件が異なる場合には、実際に試算してみないとどれがトクかは分かりませんが、東田さんの場合には、多少金利は低いのですが、残高の多い基本融資分から実行するのが得策になります。

約200万円で132万円トクできる

基本融資分に約204万円を繰上げ返済すると、期間を47回短縮できます。つまり、残りの返済期間を4年近く短縮できるわけです。その結果、本来支払わなければならない利息132万円をカットすることができます。現在のまま返済を続けると、残りの総返済額は約2082万円ですが、繰上げ返済することで残りの総返済額を約1654万円に抑えることができます。繰上げ返済する204万円を加えても約1858万円ですから、総支払額を大幅に少なくできるわけです。

借換えのほうがもっとトクできる

しかし、東田さんの場合、金利が3%台ですから、この際思い切って借り換えるほうが得策だと思います。残高もさほどではないので、借り換える際に一部繰上げ返済を行って、借換え額を少なくして、その分返済期間を短くすれば、さらに有利になる可能性があります。都市銀行などの金利優遇キャンペーンが実施されていますから、それを利用すると固定期間選択型10年だと2%程度の金利、3年ものだと1%程度で利用できます。本来、固定期間3年ものは、金利上昇リスクが大きいのであまりお勧めできませんが、東田さんのように残高が少なくなっていれば、返済期間を短くすることで、リスクをかなり小さくできるのです。

できれば返済期間を10年にして借り換える

まず、手元の余裕資金を活かして、借換え額を1300万円にします。これなら、返済期間10年にしても、金利2%で毎月返済額は11万円台後半、1%なら11万円台前半になります。現在より年間で24万円から30万円ほど増えますが、総返済額では圧倒的に有利になります。固定期間選択型10年ものでも、借換え時の繰上げ返済分を含めても、残りの総支払額は約1626万円になります。現在のままに比べれば400万円以上、繰上げ返済する場合と比べても200万円以上のトクになるのです。しかも、今後10年間、金利はまったく変わらないので安心感もあります。

多少の手数料を支払うメリットはある

金利1%の固定金利選択型3年は、金利上昇リスクがありますが、それでも期間が短いのでそう極端に返済額が増えることはありません。仮に3年後に金利が3%になっても、増額幅は7%ほどにとどまります。その後ずっと3%と仮定しても、結果的には当初から2%で借りた場合と総返済額はほぼ同じになります。もちろん、いまの低金利がいつまでも続くとは限りませんが、仮に1%のまま10年間が終わったとすれば総支払額は1500万円台になります(現実にはちょっと考えにくいのですが)。借換えには一定の手間ヒマ、お金がかかりますが、それを考慮しても十分に検討に値するのではないでしょうか。


!東田さんの当初の資金計画
融資の種類 借入額 金利 返済期間 毎月返済額 ボーナス返済額
公庫基本融資 1480万円 3.30% 25年 3万8217円 20万6689円
公庫特別加算 420万円 3.60% 25年 1万1132円 6万1000円
合計 1900万円 -- -- 4万9349円 26万7689円

年間返済額 112万7566円
現在のローン残高 1491万3612円
今後の返済額 2082万円

!繰り上げ返済する場合
  短縮回数 カットできる利息 今後の総返済額 繰上げ返済との合計
基本融資分を
204万768円繰上げ返済
47回分 132万0390円 約1654万円 約1858万円


!借り換えする場合

  借入額 毎月返済額 今後の
総返済額
繰上げ返済
との合計
金利2.0%の固定期間選択型
10年を返済期間10年で借入れ
(ボーナス返済なし)
1300万円
(191万3612円を
繰上げ返済)
119,617円 約1435万円 約1626万円
金利1.0%の固定期間選択型
10年を返済期間10年で借入れ
(ボーナス返済なし)
113,885円 約1367万円
(金利が変わ
らない場合)
約1558万円
(金利が変わ
らない場合)

当初3年間の
毎月返済額
4〜10年目の
毎月返済額
今後の総返済額 繰上げ返済
との合計
11万3885円 12万2031円 約1435万円 約1626万円



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