家計診断Q&A

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住宅資金・返済
山下さん顔写真 FP:山下和之

長らくマイホーム関連の不動産会社、金融機関、そして実際にマイホームを買われた一般の方々など、多方面の取材に携わってきた経験を生かして本音でお答えします。効率的なマイホームの頭金づくりから、ローン破綻に陥らないローンの組み方、少しでもトクする返済方法まで何でもご質問ください。

■ご相談者
相談者(仮名)
三好 圭子さん
37歳独身。4月までは会社員で年収は360万円。事情があって退職し、現在求職中。
2月にマンションの引渡しを受けて入居しました。固定資産税の請求がきましたが、払う必要がありますか?
昨年末にマンション探しをして、今年の2月に契約、引渡しを受けました。すると不動産会社から「6月頃に固定資産税を当社に振り込んでください」という連絡がきました。固定資産税は、1月1日付けの所有者が支払うものと聞いています。ほんとうに払わなければならないものなのでしょうか。そうだとすれば、ローン控除の申告が今年分からできないのもおかしいと思います。申告期間は終わりましたが、まだ間に合いますか。

 伏見さんの相談のポイント
  • 1月1日には所有していなかった物件の税金を払う?
  • 払うとしたらローン控除の権利があるのでは?
  • 申告期間は終わっているけど大丈夫でしょうか
■アドバイス
引渡しを受けた年の税金は所有期間に応じて、日割り計算して負担するのが業界の慣行です

いま一度契約書をチェックしておきましょう

マンションや一戸建ての売買では、引渡しを受けた年の固定資産税・都市計画税(公租公課といいます)は、それぞれの所有期間に応じて日割り計算して、税額を按分負担するというのが業界の慣行になっています。三好さんの場合にも、契約書を再度チェックしていただければ、下にあるような条文が記載されているのではないでしょうか。たしかに、固定資産税や都市計画税は1月1日付けの所有者が支払うことになっているので、納税義務があるのは売主ですが、契約にしたがって、引渡し日以降の日数分の税負担は避けられません。現実には売主である不動産会社が税金を支払い、その一部を買主が売主である不動産会社に支払う形になります。

税負担の按分の仕方はこうする

具体的な按分の方法をみてみましょう。たとえば、6月1日に引渡しを受けたとすれば、売主の所有期間は1月1日から5月31日までの151日で、買主は6月1日から12月31日までの214日になります。年間の税額が10万円とすれば、買主の負担は下にあるようにおよそ5万8600円という計算になります。これが三好さんのように2月の引渡しになると、買主の負担割合は大きくなります。引渡し日が2月15日であれば、買主の負担は365日分の320日になってしまいます。この場合の税額が8万円とすれば、買主の負担はおよそ7万1000円ということです。

ローン控除の適用は今年の分から

ローン控除については、「入居した年」から適用を受けられることになっています。三好さんの場合には、今年の入居ですから、申告して所得税の還付を受けられるのは来年からということになります。三好さんにしてみれば、固定資産税の支払い義務があるというのなら、1月1日時点では三好さんのものになっているということであり、1月1日に登記はできないから、それ以前から所有していたものと考えられる。したがって、ローン控除を受けられるのではないか――ということのようですが、残念ながらそうはなりません。さきほども触れたように、1月1日付けの所有者は不動産会社であり、その不動産会社に納税義務があるわけです。三好さんは契約にしたがって、その一部を不動産会社に補てんするという形になります。1月1日付けで所有していたということにはならないのです。

申告を忘れても5年間は遡って申告できる

ただ、ローン控除に関しては、仮にその年の申告を忘れたとしても、5年間は遡って申告できることになっています。三好さんのケースはこれには当てはまりませんが、仮に昨年から入居している人で、ローン控除の適用条件を満たしている人が、今年の確定申告期間である3月15日までに申告を忘れたとしても、ローン控除の申告は可能です。そうしたケースに当てはまる人は、いまからでも居住地を所轄する税務署で相談してみてください。

不動産契約書の公租公課に関する規定の例

第〇条
売主及び買主は本物件より生じる収益若しくは本物件に対して賦課される公租公課・電気・ガス・水道等の負担はすべて引渡しの時を境として日割をもって精算するものとする。なお、公租公課負担割合の起算日は、1月1日とするものとする。

税額10万円で、6月1日引渡しの場合
売主の所有期間 : 1月1日から5月31日までの151日
買主の所有期間 : 6月1日から12月31日までの214日間

売主の負担額 : 10万円×215日÷365日≒5万8600円
買主の負担額 : 10万円×151日÷365日≒4万1400円
税額8万円で、2月15日引渡しの場合
売主の所有期間 : 1月1日から5月31日までの151日
買主の所有期間 : 6月1日から12月31日までの214日間

売主の負担額 : 10万円×215日÷365日≒5万8600円
買主の負担額 : 10万円×151日÷365日≒4万1400円



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