家計診断Q&A

家計診断Q&A

節約とやりくり
内田さん顔写真 FP:内田ふみ子

家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。
ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。


■ご相談者
相談者(仮名)
木下八重子さん
37歳、会社員。13歳になるお子さんと2人暮らし。
昨年購入したマンションに子どもと2人暮らし。幸いまとまった貯蓄がありますが、最近給与カットになり家計は赤字です。
9年前に離婚し、昨年中古のマンションを購入しました。ところがすぐ後に、給与が削減され生活も切り詰めています。幸いそれまで実家の世話になっていたのでまとまった貯蓄ができました。この貯蓄を子どもの学費や30年のローン返済などに有効に使うにはどうしたらよいでしょうか。現在家計は赤字でこれ以上お金を貯められません。なお、元の夫から養育費などはまったく受け取っていません。


・家計状況
 月間収入(税金・社会保険料を除いた可処分所得)
 本人 160,000 円
 月間支出
 住宅ローン 31,000 円
 管理費 15,000 円
 駐車場代 8,000 円
 水道光熱費 10,000 円
 電話代 10,000 円
 教育費 25,000 円
 食費 16,000 円
 教養娯楽費 15,000 円
 日用雑貨・被服費 5,000 円
 保険料 18,000 円
 積立貯蓄 5,000 円
 その他の貯蓄(内職代) 5,000 円
 支出合計 ▲ 3,000 円

 ボーナス(年間)
 本人 539,000 円
(今後はあまり見込めない)
 ボーナス支出(年間)
 固定資産税 85,000 円
 レジャー費 50,000 円
 貯蓄 368,000 円
 生活費補填等 36,000 円
 貯蓄残高
 預貯金 11,000,000 円

 <<希望・予定>>
  • 子どもは公立高校に進ませたいが受験結果によっては私立の可能性もある。
  • 高校卒業後は、専門学校か短大に進学させたい。
  • 再婚や他からの生活援助の予定はない。
 <<住居>>
  • マンション(ローン残高850万円、返済期間30年)

■アドバイス
まとまった貯蓄は安心感を与えてくれます。収入の見通しに不安がある今は、教育資金と生活防衛を優先しましょう。

住宅購入直後の収入減は大変ショックでいらしたことでしょう。
ただ賢明なことに、木下様は実家にいる間にしっかり貯蓄を続けていらっしゃいました。まとまったお金は、不安な中でも落ち着いて生活設計を考える余裕を与えてくれます。
現在の残高は、これから確実に必要になる教育資金、さらなる収入の減少への備えとしては充分ですが、家計も赤字でこれ以上貯蓄が難しいため、ローンの繰り上げ返済は慎重にしましょう。

収入減少に備えた生活資金の蓄えは充分しておきたいもの。教育資金は余裕をもって準備しておきましょう。

中学生ともなると、高校受験はすぐ目の前。高校とその後の進学にかかかる費用も具体的な数字となってきます。もちろん可能であればお子さんとも相談の上、奨学金の利用も考慮し、家計が厳しいときは、学校や行政に相談して支援制度があれば受けるようにします。日本育英会では、家計が急変した場合、年度途中でも奨学金が申請できる「緊急採用奨学金制度」があります。
現在の家計では、今以上の教育費の負担は難しいため、そっくり貯蓄に頼ることになるという前提に立ち、多い場合でどの程度かかるのか算出してみます。

高校は私立に進学した場合、3年間で一般に約250万円。短大では、学費から生活費まで含めて自宅通学者2年間の支出は約400万円。自宅外通学者の仕送りは8割近くが毎月10万円以上かかっています。そうすると、現時点では、少なくても600万、多い場合は合計900万円程の教育資金を考えておかなくてはなりません。
今後、給与が削減されたり、病気で仕事ができないなどの場合を考慮すると、ローンの繰り上げ返済などで手元資金が少なくなるのは、かえって生活不安が増すことになりかねません。今繰り上げ返済に回せそうな額は100〜200万円程度、あとはお子さんの進路を見極めながら考えていきましょう。

(参考) 入学・進学の費用 http://setsuyaku-lifeplan.com/IKURA/nyugaku.html
日本育英会 http://www.ikuei.go.jp/


繰り上げ返済は、返済額軽減型を検討してみましょう。

繰り上げ返済には、毎月の返済額は変えずに返済期間を短縮する方法と、返済期間はそのままで毎月の返済額を軽減する方法とがあります。木下様のように、これからも家計の赤字が続きそうなら、後者の返済額軽減型が向いているでしょう。金融機関でシミュレーションをしてもらい、負担の軽減額を確認してください。

遺族年金の支給は18歳の年度末まで。生活費や教育資金の不足は、貯蓄や生命保険で準備が必要です。

木下様が万が一のとき、住宅ローンは団体信用保険に加入していれば相殺され、お子さんには18歳の年度末まで公的遺族年金が支給されます。その後の生活費や教育資金を考慮して、現時点では、ご自身の生命保険や貯蓄で合わせて2000万円程度カバーする必要がありますので、保険も一度見直しておかれるとよいでしょう。また金銭面だけでなく、リスクマネジメントとして、ご実家や親戚・友人関係など日頃から人間関係を良好に保つようにしておくことも大切なことですね。




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