家計診断Q&A

家計診断Q&A

節約とやりくり
内田さん顔写真 FP:内田ふみ子

家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。
ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。


■ご相談者
相談者(仮名)
須之内真苗さん
29歳、主婦。34歳のご主人(会社員)と幼稚園に通う4歳と3歳のお子さんとの4人暮らし。
今年中に新築一戸建てを購入するつもりです。生活がきつくならない程度の返済額は?また2人の子どもの教育費や老後資金にはどのくらいの貯蓄が必要?
今年中に一戸建てを購入するつもりです。両親から1000万円の援助がありますが、住宅ローンで生活がぎりぎりになるのは避けたいと思います。どの程度の返済額ならよいのか教えてください。また教育費や老後に備える貯蓄額などもいくらあればよいのでしょう。なお、主人は転勤があるので、単身赴任になる場合もあります。その際は家賃1万円程の社宅に入居することになると思います。


・家計状況
 平均的な月収(税金・社会保険料を除いた可処分所得)
 夫 370,000 円
 月間支出
 社宅 18,000 円
 ガソリン代 8,000 円
 新聞・光熱費 22,000 円
 電話・通信費
 (携帯2台含む)
15,000 円
 教育費(幼稚園2人分) 45,000 円
 生活費(食費等) 90,000 円
 医療費 5,000 円
 夫のこづかい 50,000 円
 保険 30,000 円
 月々の貯蓄
 子ども預金 20,000 円
 ゴルフの積立 5,000 円
 一般財形 10,000 円
 住宅財形 10,000 円
 社内持ち株 12,000 円
 投資信託 10,000 円
 その他の積立 20,000 円
 合計 87,000 円

 ボーナス収入等(年間)
 夫 2,000,000 円
 ボーナス支出等(年間)
 夫のこづかい 400,000 円
 交際費 150,000 円
 税金 50,000 円
 予備費 220,000 円
 ボーナスからの貯蓄(年間)
 一般財形 80,000 円
 住宅財形 80,000 円
 社内持ち株 60,000 円
 定期預金 800,000 円
 子ども預金 160,000 円
 合計 1,180,000 円
 貯蓄残高
 定期預金 2,650,000 円
 一般財形 510,000 円
 住宅財形 1,420,000 円
 子ども預金 700,000 円
 積立預金 100,000 円
 株式(時価) 600,000 円
 投資信託 150,000 円
 合計 6,130,000 円
 <<希望・予定>>
  • 一戸建てを今年購入。親から1000万円の支援がある。
  • 転勤の可能性がある。
  • 子どもは大学まで進ませたい。
 <<住居>>
  • 社宅
■アドバイス
「住」に価値を置くなら、支出を見直すことも必要です。将来のための貯蓄は、「貯めどき」を逃さないようにしましょう。

ご両親も資金を援助してくださるので、お住まいの購入を検討するのには良い機会ですね。ただ、お子さんたちが中学生ぐらいまでがいちばん貯蓄のしやすい時期でもあり、これを逃すと以降は教育費負担の重い時期に入ります。今のうちに支出で締められるところはしっかり見直して、貯蓄も確保していきましょう。
また転勤の可能性のあるご家庭は、マイホームが足かせにならないように、単身赴任か家族一緒に転居するか、話し合っておきましょう。

きょうだいの年齢が近い場合は、教育費の支出が200〜300万円に上る年も

お子さんの年齢が近いので、下のお子さんが大学生になる年は2人分で300万円近い支出が必要になることもあります。一時的に教育ローンの利用も考えられますが、できるだけわかっている事には備えておきましょう。

教育資金は、18歳までに私立大学4年間の授業料相当分400万円ずつ準備できると、慌てなくて済みます。今より年10万円程上乗せして貯蓄するとよいでしょう。お祝いや臨時収入を繰り入れても良いですね。

現時点の厚生老齢年金のモデルでは、夫婦合わせて月23万円。老後は、住宅ローンが既に終わっていれば、公的年金で生活費はまかなえます。退職金は病気や介護等の費用や余裕資金と考えることができます。

ところが、先ず支給が65歳からなので、定年が60歳ならそれまでの5年分の生活費の確保をしなければなりません。今後は退職金も現在より切り下げの可能性も考えられますので、60歳以降も健康で働く、自助努力の貯蓄を心掛ける、といったことが必要になります。
須之内様の場合、お子さんたちが独立時は53歳、そこから資金を確保する方法もありますが、50歳を過ぎると健康状態にも個人差がでます。また50歳で給与水準も頭打ちか減少する傾向にあります。できれば今から少しずつ積み立てたり、真苗様もお子さんの手が離れたら仕事をすることを考えられてはいかがでしょう。

支出が今のままでも、住宅購入は可能ですが、心配は先送りせず、ボーナスの支出を見直してみましょう

現在の貯蓄残高600万円余りのうち、教育資金分と半年間の生活費分合わせて300万円は、少なくとも手元に残します。その結果、自己資金はご両親からの資金と合わせて1300万円。うち、税金や各種手数料、家具購入費の経費を除くと実際の物件に充てられるのは1000万円程で、残りはローンを組むことになります。
年間200万円余りを貯蓄できる須之内家ですが、物件価格3500万円、住宅ローン2500万円として、貯蓄と家賃分の合計を購入前後で比較すると下記のようになります。

 【住宅購入前】 年244万円 【住宅購入後】 年244万円
 ゴルフ積立 6万円  ゴルフ積立 6万円
 子ども預金(教育資金積立) 40万円
 そのほかの積立 176万4000円
 子ども預金(教育資金積立) 50万円
 住宅ローン返済 143万円
 (借入金額約2500万円、25年返済、金利3%)
 住宅修繕積立 25万円
 家賃 21万6000円  固定資産税等 20万円

住宅購入後は、固定資産税やメンテナンスの費用もかかるので、それぞれ確保すると、老後資金などの積立までは資金が回りません。
実際に希望する物件が予算を上回ったときは、もちろん生活費に影響しますが、購入直後の貯蓄残高も余裕があるとはいえませんので、支出から積立に回していきましょう。
とくにボーナス支出の方が見直しの余地は大きそうです。月々の「生活費」の内訳をもう一度書き出してみたり、ボーナスの「予備費」を毎年具体的に予算化してみてはいかがでしょう。
住宅購入は、今までの生活全般をあらためて見直し、将来設計を考える良い機会でもあるのです。

ご両親からの援助に対する贈与税については住宅資金返済編の以下をご覧ください。
http://www.setsuyaku-lifeplan.com/FP/JUTAKU/200304.html



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