家計診断Q&A

家計診断Q&A

節約とやりくり
内田さん顔写真 FP:内田ふみ子

家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。
ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。


■ご相談者
相談者(仮名)
添田 順子さん
42歳、主婦。44歳のご主人(会社員)と私立高校2年、公立小学校3年のお子さんの4人家族。
会社に請求できない接待・つきあいで夫の持ち出しが多いうえ受験を控えた子供の教育費もかさむ一方。支出が多く、光熱費や食費の節約では追いつきそうにありません。
夫が営業職で接待費などが持ち出しで出ていきます。そのため最近口座を別にしました。ほかにも住宅ローンと教育費など毎月の支出が多くてなかなか貯蓄ができません。出費にとても追いつきそうにないので節約の意欲も削がれがちです。最近購入した家は中古のため、修繕費等がかかります。下の子は、私立中学を受験させるかどうか迷っています。その教育費も準備したいのでどのようにしたらよいか教えてください。


・家計状況
 平均的な月収(税金・社会保険料を除いた可処分所得)
 夫 440,000 円
 妻 30,000 円
 月間支出
 住宅ローン 124,000 円
 水道光熱費 30,000 円
 ガソリン・車費用 20,000 円
 電話代(携帯2台含む) 20,000 円
 食費 80,000 円
 教育費 124,000 円
 (内訳)
 高校生授業料等 85,000 円
 塾・習い事 15,000 円
 昼食代 14,000 円
 小学生授業料等 6,000 円
 塾・習い事 20,000 円
 教養娯楽費 20,000 円
 ペット費 10,000 円
 日用雑貨・被服費 40,000 円
 医療費等 30,000 円
 夫の営業費 100,000 円
 生命保険 22,000 円
 学資保険 24,000 円
 積立貯蓄 50,000 円
 合計 710,000 円
(マイナス240,000 円)

 ボーナス収入等(年間)
 夫 3,700,000 円
 妻 350,000 円
 ボーナス支出等(年間)
 固定資産税 200,000 円
 自動車税 50,000 円
 車検 120,000 円
 住宅ローンボーナス返済 1,500,000 円
 リフォームローン返済 400,000 円
 住宅補修・庭の維持管理 600,000 円
 帰省・旅行費 200,000 円
 塾夏期講習 300,000 円
 交際費 150,000 円
 保険料 50,000 円
 貯蓄 100,000 円
 夫の営業費等 280,000 円
 貯蓄残高
 預貯金 6,000,000 円
 有価証券(時価) 1,000,000 円
 (予定)平成18年満期
 学資保険
3,600,000 円
 (予定)平成18年満期
 養老保険
2,000,000 円
 <<希望・予定>>
  • 子どもたちは大学か大学院まで。
  • 下の子は私立中学も検討中。
  • ボーナスは金額の変動は少ないが、制度上は半減することもあり得る。
 <<住居>>
  • 持ち家(中古住宅、ローン返済中)
■アドバイス
受験を控えていると教育費は最優先にならざるをえませんが、年齢的には老後の準備もそろそろ始める時期です。支出をしっかりコントロールして、教育費と老後に備えましょう。

下のお子さんも私立受験なら、これから数年間、教育支出は増える一方ですね。私立受験や大学院まで進学を希望したときのために、資金準備に余裕をもたせたいところです。ただ支出や貯蓄ペースがこのままなら、お子さんの独立に目途がついた頃には、貯蓄のほとんどを取り崩している状態かもしれません。

ごきょうだいの年齢が離れていらっしゃるので、大学進学時期がずれ、支出も分散されますが、それぞれに教育資金の準備が充分でない場合、老後の資金準備が間に合わない不安もあります。今のうちに支出を見直していきましょう。

高校生までの教育費は、年間支出の範囲でやりくりを。ボーナスに頼って膨れてしまった支出を圧縮しましょう。

大学・大学院への進学も視野に入れておられますが、基本的に高校生までは年間収支のなかでやりくりをして、貯蓄は学費のかかる大学以降に備えて、取崩さないことが望ましいところです。現在の預貯金残高と子ども保険や養老保険の満期金の額では、2人分の教育資金としては不足気味。他の支出が減らせなければ、教育の支出が増えた分、貯蓄も出来なくなりそうなのが現状です。

下のお子さんが高校生になる頃、ご主人は50歳代です。老後の準備を考えると、少なくとも、現在の年間貯蓄額は維持、できれば下のお子さんの大学進学資金分を上乗せしたいところです。つまりこれから大学受験、中学受験のために塾の費用が増えたら、今の支出のどれかを削っていかなければなりません。

現在、添田家の年収のうちボーナスがニ分の一。ボーナスの支給額に大きな変動はないということですが、今後、会社の業績や、営業職なら営業成績も反映されて増減幅が広がりやすい収入です。ですから、ボーナスが1割ぐらいカットされても、大きく生活設計にひびかない暮らし方を心掛けてください。そうすれば、塾の費用を出すのにも躊躇せずにすむでしょう。

教育費・夫の営業費・住宅維持管理費が三大支出。どれも必要ですが優先順位をつけ、中身も点検しましょう。日常生活費の節約も、あきらめずに続ける気持ちが大切です。

収入に比べてレジャーや娯楽に費やしているわけでもないのに貯蓄額が少ないのは、教育費・ご主人の営業費・住宅維持管理費が支出の大きな割合を占めているからです。
受験が目の前に迫っているため、教育費はまず削減できない項目でしょう。

ご主人の営業費は、年間150万円もかかっています。口座を別にしたのは、生活費に際限なく食い込むのを防ぐ効果があるので正解でした。経費をかけているから収入があるのだといわれればそれまでですが、これから増えるお子さんの塾代ぐらいはそこから出してもらえないか、相談してみてはいかがでしょう。

また中古住宅を購入されたため、家にかかる修繕費などもまとまった支出になっています。家を長く良い状態で使うための費用は惜しむわけにはいかないものですが、手入れの計画を立て、どうしても必要な修繕とそうでないもの、自分たちでできるもの、など内容も検討して、費用のかからない方法も工夫してみましょう。

支出額からみれば、日常生活費の節約は微々たるものかもしれませんが、収入が必ずしも保障されたものでないかぎり、堅実に暮らす心掛けは続けたいものです。浪費をしていらっしゃるわけではありませんので、効果も大きな数字にはならないかもしれません。でも家計簿上でわずかであろうと努力のあとが見えるようになれば、営業費の削減も、ご主人に話しやすくなるのではないでしょうか。



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