家計診断Q&A

家計診断Q&A

節約とやりくり
内田さん顔写真 FP:内田ふみ子

家計簿は、5年10年あるいはそれ以上先にある目的を達成するために有効なツールです。
ゴールを確認したらまず資金計画。今の貯蓄ペースで実現できるか、難しければやりくりできるかをチェックします。ゴールは一つとは限りません。今しなければならないことや、先のことでも大事なことなど、優先順位を考えながらアドバイスさせていただきます。


■ご相談者
相談者(仮名)
東 千江美さん
29歳、パート勤務。同い年のご主人(会社員)との2人暮らし。
夫に借金があり、債務整理を行い、あと10か月返済は続きます 消費者金融には早く完済してしまいたいと思いますが、夫は貯蓄には手をつけたくないといいます
結婚後夫に消費者金融6社270万円の借金があることがわかり、離婚も考えましたが2人で乗り越えることに決めました。給与では返していけないため、裁判所の調停で債務整理を行った結果、現在3社で残り60万円、毎月の支払い最低額は2万7000円です。実際にはそれを上回る月6万円を返済しているため10か月で完済します。調停員からは私の体調がよくないため最低額をゆっくり返済して残りは貯蓄に回すようにアドバイスされました。夫も、私の奨学金の返済もあるので貯蓄には手をつけずにおきたいといいます。ただ、借金があること自体精神的に負担に感じてしまうため、返してしまいたい気持ちがあります。月8万円の返済にすると2か月早く返し終わります。家計も見直せるところは見直していきたいのでアドバイスをお願いします。


・家計状況
 月収(税金・社会保険料を除いた可処分所得)
 夫 270,000 円
 妻 100,000 円
 月間支出
 家賃 80,000 円
 駐車場代 9,500 円
 ローン返済 60,000 円
 水道光熱費 12,000 円
 電話代
 (携帯、プロバイダ代含む)
14,000 円
 ガソリン代 1,000 円
 食費 30,000 円
 昼食代 8,000 円
 医療費 8,000 円
 教養娯楽費 30,000 円
 日用雑貨・被服費 6,000 円
 ペット費用 8,000 円
 夫のこづかい 20,000 円
 妻のこづかい 10,000 円
 雑費 3,000 円
 妻の共済 2,250 円
 年払い費用の積立
 (奨学金分含む)
36,000 円
 その他の貯蓄 32,250 円

 ※年単位の支出 525,000 円
 奨学金の返済 130,000 円
 年払生命保険料 26,000 円
 レジャー費 100,000 円
 車検 100,000 円
 自動車保険・税金 70,000 円
 通勤用バイク保険・税金 32,000 円
 マンション更新
 火災保険料
54,000 円
 NHK受信料 13,000 円
 貯蓄残高
 預貯金 400,000 円
 妻の独身時代の預貯金 2,500,000 円
 負債
 消費者金融 600,000 円
 日本育英会奨学金 2,000,000 円
 <<希望・予定>>
  • 妻は希望すれば契約社員登用も可能だが、持病もあるのでパート勤務のまま。
  • 子どもは数年後に1人。
  • 持ち家の希望はない。
 <<住居>>
  • 賃貸
■アドバイス
今の貯蓄残高は、負債を考慮するとまだ不足 無理のない金額で返済を続けながら、預貯金も増やしていきましょう

ここまでよく頑張って返済を続けてこられた東さん。負債残高もあと一息ですね。でも、預貯金の合計は、負債合計260万円に対し290万円。消費者金融に60万円返済すると、千江美さんの貯蓄を取り崩すことになります。体調の不安もおありですから、まとまった資金は確保しておきたいですね。完済まで1年足らずです。無理に貯蓄を取り崩したり返済月額を増やすより、貯蓄に回し当面の安心を確実にしておきましょう。

多重債務は、返せないと気づいたら早めに、適切な相談窓口に行くこと 家族の協力が不可欠です

多重債務の相談窓口は、借りている金融機関、クレジットや消費者金融業界団体の相談窓口(を参照)、最寄りの弁護士会等があります。
返済が困難な場合の債務整理は、金利が利息制限法の上限(金額により15〜20%)を超えているときは、利息制限法の範囲で金利を計算しなおすなどの方法で金融機関と交渉し、負担を軽減します。
ご主人は多重債務に陥っておられましたが、給与からの返済が難しいと気づいて、自助グループで勉強したり、裁判所で調停を行ったため、自己破産もせず、返済しながら生活を立て直すことが可能になりました。
家族が立て替えて返済しても、借金を繰り返すケースも少なくありません。ご夫婦が協力して乗り越えられた良い例だと思います。
ご主人は千江美さんに感謝していると思いますし、返済の目途も立っていますから、千江美さんの独身時代の貯蓄で返済することまではしたくないのではないでしょうか。あともう少し、お二人で協力して返していってはいかがでしょう。

相談窓口のある業界団体
日本クレジットカウンセリング協会 http://www.jcca-f.or.jp/
日本消費者金融協会 http://www.jcfa-1969.gr.jp/

完済後の家計も見通して、定期的な積立も考えてみましょう

家計を工夫してしっかり管理し、堅実に生活していらっしゃいます。雑費が少ないのは、予算立てや記帳をこまめにされているからではないでしょうか。

<東家の家計の工夫>
  1. 食費は底値より健康を考えて食品を選び、生協の宅配で計画的に購入する。
  2. 月々の変動の激しい医療費は、封筒に予算額を入れ、余ったら来月に繰り越す。
  3. 毎月の残りや小銭を別の口座に入れ、予定外の支出があったとき使い、月々の家計をならしている。
切り詰めるだけでなく、まだ若いご夫婦ですからお友だち付き合いなども大切。楽しみのための支出項目も確保しており、完済後も急に気が緩んで支出が膨らんでしまう心配は少なく、このままで継続可能な状態と思われます。
ただ、洋服など買い控えているものもあるはず。また今は定期的に毎月決まった積立は行われていません。奥様が健康上の理由でフルタイムで働くのが難しい場合は、生命保険の保険金額が充分か再検討し、足りなければ増額や追加で加入することもあります。
完済後は予算をもう一度立て直し、返済に回していたお金のうち、長く継続できる金額で、勤務先の財形貯蓄や給与振込口座のある金融機関に自動積立定期預金などを設定し、確実に貯蓄を確保していきましょう。

お互いがきちんと向き合っておられるご夫婦は、家計が厳しくても良い状況に向かっていることが多い気がします。どうぞ今のまま、仲よく過ごしてください。



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