家計診断Q&A

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貯める・殖やす
伊藤さん顔写真 FP:伊藤美和

貯蓄や投資を始めてしばらくすると、誰の頭にも思い浮かぶのが1000万円という夢の数字。「1000万円お金を貯める」ということはハードル走に似ています。100万円、300万円とハードルをクリアするごとに貯まるスピードはどんどん加速していきます。この「貯める・殖やす」のコーナーでは、皆さんがハードルを楽に越え、早くゴールにたどりつけるよう、お手伝いができればと思います。何でもお気軽にご相談ください。
■ご相談者
相談者(仮名)
北川 直美さん

29歳 派遣社員。家族は父(60歳)、母(55歳)、弟(24歳)
最近話題の社債投信に興味があります。リスクや利回りなど安心できる物でしょうか

普通預金の残高が増えてきたので、ほかの商品に預け替えたいと思っています。「社債」の利回りは、預貯金金利よりかなり有利と聞いたのですが。


・家計状況
 貯蓄
 普通預金 1,050,000 円
 定期預金 1,800,000 円
 ニュー定期 1,500,000 円
  
■アドバイス
社債は預貯金より高い利率で人気を集めているものの、安易に飛びつくのは危険。高い利率はリスクの上乗せ分と認識すること。投資には十分な注意が必要です。

・社債市場の最近の動向
昨年9月のマイカルの破綻で、社債の人気は一気にしぼんでしまいました。マイカルの社債が個人向け普通社債として、初めてデフォルト(元利金の支払い不能状態)となったからです。

ところが4月のペイオフ解禁を機に、社債はお金の分散投資先として見直されはじめ、さらに預貯金金利の低下で人気が再び盛り上がってきました。

金利比較
 定期預金金利 0.02〜0.07%程度
 5年利付国債 0.55%程度
 社債 1〜2%程度

・社債の特徴
社債は事業会社が発行する債券です。利率は発行会社の格付けや、その時々の金利情勢などにより、発行のつど決められます。利払いは年2回行われるのが一般的です。

・社債の利率と発行会社の安全性

今年発行された社債の利率(今年売り出された商品の一部)
利率 期間 格付け(格付会社)
 日産自動車 1.0% 3年 BBB(R&I)
 アイフル 2.0% 4年 A-(R&I)
 近畿日本鉄道 1.05% 4年 A-(R&I)
 四国電力 0.25% 3年 AA+(R&I)
 住友不動産 1.85% 4年 BBB(JCR)

景気低迷が長引き、上場企業の倒産も珍しくなくなった今、社債の利率決定に最も大きな影響を及ぼすのは、発行会社の経営の安全性です。発行会社の信用力が高いほど利率は低くなります。逆に信用力が低い会社の社債は利率が高くなります。表の住友不動産の社債は、四国電力の社債と期間が1年しか違わないのに、利率は7倍以上高くなっています。住友不動産の方が格付け(経営の安全性の指標の1つ)が低いと評価されているので、そのリスク分として利率が上乗せされているのです。

・取り扱い
証券会社で購入できます。社債の売り出しは不定期なので、電話やインターネットで新規発行&売買情報を調べて、購入申し込みをする必要があります。購入単位は10万円または100万円というのが一般的です。

・換金
満期まで保有すれば、元利金は社債を発行している企業が保証してくれますが、満期前に売却すると時価取引となり、元本割れの可能性も。また満期までに発行会社が破綻すれば、元本は一部しか手元に戻りません。

・社債投資のポイント
1. 購入資金は基本的には満期まで換金せずにすむお金であること。
2. 購入者は、社債を保有中、企業の経営状況(格付け等)を定期的にチェックしていくことが大切。
3. 格付けが急低下したり、発行企業が経営的に危なくなってきたetc...とような場合に、損切り(売却損を覚悟で社債を途中売却し、元本を少しでも回収する方法)を検討できる決断力も必要。

以上のようなポイントがクリアできるなら、社債はトライしてみたい商品の一つといえるでしょう。2、3について自信がない場合は利回りは劣るものの、最も信用度が高い債券である「国債」の方が安心して投資できるのではないかと思います。

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