家計診断Q&A

家計診断Q&A
貯める・殖やす
伊藤さん顔写真 FP:伊藤美和

貯蓄や投資を始めてしばらくすると、誰の頭にも思い浮かぶのが1000万円という夢の数字。「1000万円お金を貯める」ということはハードル走に似ています。100万円、300万円とハードルをクリアするごとに貯まるスピードはどんどん加速していきます。この「貯める・殖やす」のコーナーでは、皆さんがハードルを楽に越え、早くゴールにたどりつけるよう、お手伝いができればと思います。何でもお気軽にご相談ください。
■ご相談者
相談者(仮名)
安藤真奈さん

30歳、失業手当申請中の専業主婦。
会社員のご主人(30歳)と2人暮らし。
生活環境の変化に対応できる家計管理&貯蓄法は?
病院事務の仕事をしていましたが3月に退職しました。現在、失業手当を申請中ですが、夫の収入だけでやり繰りできず頭を悩ませているところです。今後は再就職→出産・退職→再就職というようなライフプランの予定です。生活環境の変化に対応できる家計管理と貯蓄の方法を教えて下さい。


・ 収支の状況
 収入
 手取り月収(夫) 約220,000 円  ボーナス手取り(夫) 95〜110万 円
 毎月の主な支出
 食費(外食費込み) 35,000 円  家賃・駐車場代(2台分) 85,000 円
 電気代 7,000 円  ガス代 7,000 円
 水道代 4,500 円  電話 2,500 円
 パソコン通信 4,800 円  携帯(2人分) 8,000 円
 日用品 40,000 円  交通費・ガソリン代 40,000 円
 夫こづかい 25,000 円  夫職業費 10,000 円
 妻こづかい 20,000 円  生命保険
 (簡保の夫婦保険)
27,000 円
 車の保険(妻の車の分) 5,930 円  レジャー費 23,000 円
 合計 344,730 円  収支 ▼124,730 円

・ 妻の今後のライフプラン
  • 平成16年4月   妻が再就職
  • 平成17年春    第1子出産・退職
  • 平成19年春    第2子出産
  • 平成26年春    妻が再就職

・ 安藤家の今後の予定
  • 7月から 夫こづかい5000円減、妻こづかい1万円減の予定。
  • 自動車保険は月払いから年払いに切り替える。
  • 真奈さんは8月から4ヶ月間、失業手当を受け取る(23万円×4か月)。
  • 真奈さんは復職後、手取り月収24万円、ボーナス100万円(年間)の収入が見込めそう。
  • 真奈はお子さんが生まれたら、専業主婦となる予定(お子様が小さい間/ご主人の希望)。
  • 簡保の夫婦保険は20年満期。満期時に500万円+配当金が受け取れる。
    (保障は大きいけれどほぼ掛け捨てだった保険を解約し、切り替えたばかり)
  • 2世帯住宅の建築を検討中(夫の両親の土地に6、7年後に建てる、というプランを検討中。土地は夫の両親が提供、建築費は全額を若夫婦の負担でということになりそう)。
■アドバイス
ご主人の収入で「基礎生活費」をまかなうよう家計を組み替えていきましょう。

ステップ1:このまま毎月の支出のデータを集めていきましょう。

安藤さんは退職を機に家計を見直し、家計管理の第一歩を踏み出しています。こづかいを減らしたり、保険料の支払いを年払いにしたりと自発的に努力をされている姿勢は大賛成です。

出産、退職、再就職と生活環境が変わる時期ですが、まずは現状を把握することが大切です。何にいくら使っているのかを知るために、このまま支出のデータ収集を続けてください。家計簿を利用するのもいいでしょう。冷暖房費など季節によって変動する費目もあるので、年間を通した家計の基本的な支出の状況をまずはつかみましょう。

ステップ2:ご主人の収入で暮らせるよう、予算立てをします。

毎月いくら使っているのか把握し、予算を立て、見直していくのがやり繰りの基本。安藤家の場合は食費や光熱水道費などの支出額はだいたい標準額ですが、交通・通信費、日用品費、レジャー費を中心に節約を考えてみる必要がありそうです。標準額を参考に安藤家の1ヶ月の支出予算プランを立ててみたので参考にして下さい。

・ 1世帯あたり年平均1ヶ月間の収入と支出

 食料 59,539 円
 光熱・水道 19,474 円
 家具・家事用品 7,913 回
 被服・履物 9,955 回
 保健・医療 9,982 円
 交通・通信 26,717 円
 教養・娯楽 22,242 円
 交際費 17,721 円
 消費支出計 213,313 円
※ 年間収入469万円までの世帯の平均
※ 平成12年家計調査年報より
・安藤家の1ヶ月間の支出の予算(プラン)

 食費(外食費込み) 35,000 円
 家賃・駐車場代 85,000 円
 光熱費 18,000 回
 通信費 12,000 回
 日用品・雑費 10,000 円
 交通費・ガソリン代 15,000 円
 夫こづかい・職業費 30,000 円
 妻こづかい 5,000 円
 貯蓄 10,000 円
 合計 220,000 円

ステップ3:やり繰りを考えます。

お子様を出産してしばらくは、真奈さんは専業主婦に、というライフプランを考えると、今からご主人の収入だけで毎月の生活ができるようにしておくことが大切です。仕事のブランクが長くなると、復帰しても思ったような収入が得られないかもしれません。また2世帯住宅でご主人のご両親と同居ということになると「介護」の問題で、再就職を諦めざるを得ない状況になる可能性もあります。そうなった時にあわてないために、ご主人の収入は基礎生活費にあて、真奈さんの収入(失業手当や再就職後の給与など)からは、貯蓄やゆとりの支出(レジャー費や被服費などの上乗せ分)など、イザとなったら削減可能なものだけ出すように家計を組み替えていきます。

保険料は全て年払いにして、ボーナスから払うようにしましょう。一方、ボーナスが出たら予算ごとにボーナスを取り分けるようにします。用途別の口座に預け入れるか、袋分けしてお金をプールします。レジャー費(10万円)・交際費(10万円)・被服費(12万円)・耐久品費(TV・冷蔵庫8万円)・日用品費(値の張る日用品への出費/5万円)・保険料(40万円)・貯蓄(5万円)・予備費(5万円)が予算プランの一例です。

ステップ4:貯蓄方法を考えます。

一般家庭の平均貯蓄率は手取り月収の10〜15%ほど。ただし安藤さんはご主人の収入でやり繰りをすること自体がまずは大変なので、月収の約5%・1万円を毎月の貯蓄目標額とします。ボーナスからは最低5万円を貯蓄し、決算賞与が多めに出たら5〜10万円を上乗せできれば理想です。真奈さんの収入がある間は、手取額の半分を貯蓄に回すようにしましょう。

不況で雇用環境の悪い今は、病気やケガ、失業などイザという時のために毎月の生活費の半年分(安藤さんの場合は約132万円)ほどのお金を、元本が安全で流動性の高い金融商品で確保しておくことをお勧めします。郵便局の通常貯金、貯蓄貯金、ニュー定期、銀行の定期預金などを利用するといいでしょう。お金の運用を考えるのはイザという時の備えができてからです。

ステップ5:今後のライフプランを夫婦で再検討してみては?

マイホームのプランですが、現在の収入と支出状況では、2世帯住宅のローンを全額負担するのは難しそうです。真奈さんが再就職して、収入が安定してからもう一度ご家族で話し合われてみることをお勧めします。

ご主人の収入のみで暮らしていくには、おこづかい・レジャー費・車関係費を中心にかなり思い切って支出をダイエットする必要があります。マイホームの取得もその分先延ばしになりそうです。「お子さんが小さいうちは奥様が専業主婦で」というご主人の希望のライフプランを実現するために生活を縮小する痛みに耐えるか、もう少し早めに仕事復帰するか..についてご主人ともう一度ライフプランを再検討してみてはいかがでしょうか?



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